第151回「社員数9名の会社が世界を切り拓く小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「社員数9名の会社が世界を切り拓く小さなブルーオーシャン」


「最近注目を集める成分『レジスタントスターチ』」

 

近頃よく話題となる「腸活」。
腸内細菌の善玉菌を増やして
活発に働かせることで、
腸内をきれいにする
というものですが、
なぜ、腸内をきれいにする
必要があるのでしょう?

実は、人間の免疫は
7割が腸内から獲得する
といわれ、最近では
脳への働きかけも
解明されているらしいのです。
つまり腸は身体全体の
調子を整える司令塔
というわけです。

善玉菌の活性化に
食物繊維が有効らしいのですが、
最近注目を集めている
成分があります。
それが「レジスタントスターチ」。

このレジスタントスターチを
研究し、製造販売をしている
会社が鳥取にあります。

スマートスターチ株式会社

フードロスの軽減と
健康促進という
ふたつのイノベーション
を達成した、
ベンチャー企業です。

このレジスタントスターチ
という成分は、
今まで効率よく
多量に摂ることが
できないものでした。

研究者である林原克明氏は
南米のバナナ農園の
フードロス問題に注目し、
大量廃棄される
グリーンバナナの有効利用を
模索するなかで、
良質のでんぷんである
レジスタントスターチが
大量に含まれていることを
知ります。
そこから研究に取り組み
抽出技術を発明、
しかしいざ商品化となったとき
年齢は70歳を超えていたと
言います。
そんな時に出会ったのが
現代表取締役CEOの工藤泰正氏。

二人が出会って、
スマートスターチ株式会社
を設立したのは、
自然な流れだったのでは
ないでしょうか。

Image by AI素材.com

バナナのでんぷん抽出工場をつくった人は、
世の中にいないため、
食品工場の立ち上げ経験のある人、
抽出物を粉へ精製できる人、
こうした人材を探すことには
苦労したそうです。

現在、スマートスターチは
通販サイトや高級スーパーで
販売され、
コラボ商品も次々と開発されて
いるとのこと。
また、鳥取県八頭町の
ふるさと納税返礼品に
採用されていると言います。

グリーンバナナから
純度の高い
レジスタントスターチを
抽出する会社は、
現在のところ見当たりません。

研究で便秘や肌の悩みの改善、
ダイエット効果なども
立証されている状態。

世の中には
素晴らしい研究が
まだまだたくさん
眠っているのかも
しれません。

価値がないと
捨てられるものを、
価値あるものへ変換する。

ビジネスにすることは
とても難しいですが、
それを乗り越えた時、
小さなブルーオーシャンが
生まれ、ゆくゆくは、
唯一無二のビジネスに
なるのではないかと
思います。

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スマートスターチ株式会社
鳥取県八頭郡八頭町
URL https://smartstarch.co.jp
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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