小さなブルーオーシャンに出会う旅
第50回「世界に一つ、いや宇宙に一つだけの小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第50回「世界に一つ、いや宇宙に一つだけの小さなブルーオーシャン」


もうビジネスは地球の外にもあったりします

このコラムもとうとう50回を迎えました。
今回は50回の節目にふさわしい、
壮大な小さなブルーオーシャンをお伝えしたいと思います。

以前、私が人材採用のお手伝いをしていた企業に、
清掃会社がありました。

産業廃棄物や一般家庭・オフィスから出る廃棄物を
収集して、分別する仕事です。
一言で言えばゴミ収集事業。
なかなか応募はありませんでした。

その企業の社長の言葉からあるキャッチコピーが生まれ、
応募者が増えました。

美しい街並を護りたい。

「ゴミ」は「護美」なんだと。
まぁ、それはいいとして、
今回はこのゴミのお話です。

しかし、私たちの知っているゴミではありません。
宇宙のゴミ。スペースデブリについてです。

このスペースデブリを掃除する会社、
世界で一つだけ、いや宇宙に一つだけの会社が
日本にあるってご存知でしたか?

このスペースデブリの詳細を語り始めると、
かなり長くなるので割愛しますが、
とにかく、宇宙はゴミだらけ。
そのゴミが、東京―大阪間をたった1分で
行けてしまうくらいの速さで飛んでいるそうです。
あるいは、大型バスくらいの大きさのゴミもあるとか。
このゴミが、地球の周りにある人工衛星と衝突すれば、
ひとたまりもありません。
衝突したゴミが増えるばかりではなく、
私たちの生活にも支障をきたすらしいのです。

デブリは昔から宇宙業界が抱える課題の一つでしたが、
この課題に取り組み、デブリの除去に取り組んでいる企業が
世界でただ1社、株式会社アストロスケールだけなのです。


WikiImagesによるPixabayからの画像

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

アストロスケール創業者であり現CEOの岡田光信氏は、
宇宙に夢を持ちながらも、40歳までは、
官公庁や金融機関、IT、介護などの
ビジネスフィールドにいた方。

宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去という
「誰かがやらないといけないけれど、
国、企業、NASAやJAXAの
誰もができなかった問題」
の解決を目的としてアストロスケールを
創業されたそうです。

誰もやってこなかったから、自分がやる。

これは小さなブルーオーシャンを創り出す、
基本ですね。

もちろん前例がありませんから、
資金調達や研究開発は苦労したと思いますし、
一番はビジネスモデルの構築ではないでしょうか?

どこの、誰に、何を売るのか?

というと陳腐なのかもしれません。
もはや宇宙は夢の舞台ではなく、ビジネスの舞台。
世界がさまざまなプロジェクトを
打ち立てていますし、それを支援する人たちも多くいます。

「夢」や「将来」をビジネスにする典型例なのかもしれません。

 

株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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