第73回「情報を先出しすることで、売上をあげた小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「情報を先出しすることで、売上をあげた小さなブルーオーシャン」


「すべてを見せてしまう?!」

前回(#72「本屋+ベッド=本に囲まれた空間。
本を読みながら寝落ちできる至福の空間を提供する
小さなブルーオーシャン」)でも少し触れていますが、
出版業界(紙+電子)の市場規模は、
2018年時点では1兆5,400億円。
その後も下がり続けています。
(2020年の推定販売額は1兆2,237億円らしいです)

ちなみに、2018年のソフトバンクの売上が9兆6,000億円。
出版業界と比較すると約10倍の市場規模。
ソフトバンクってすごいですね!


Willi HeidelbachによるPixabayからの画像

出版業界での明るい兆しと言えば電子書籍ですね。

2018年の市場規模が2826億円。
2019年では3473億円と推計されています。

この紙から電子に代わりつつあることで、
新しいビジネスが生まれました。

株式会社メディアドゥが提供している
「NetGalley」
です。

どんなサービスかというと、
事前に会員登録するだけで、
電子媒体で「ゲラ」=試し刷りを
読むことができるというサービスです。
刊行前の作品を読めてしまうのです。

こんなことをしたら、
実際に本を刊行した際に
売れなくなってしまうのでは?!
と思いがちですね。
しかし、逆に売上が上がったという、
本もあるのです。
なぜでしょう?

出版社は刊行前の作品のゲラやプルーフ本を
デジタル化させることで、安価で迅速に、
そしてより多くの関係者に本の情報を
提供することができます。
ゲラ読み読者となる会員は、
読んだ本にレビューをお返しする
モニター読者を表します。

レビューをしなくても、
面白いと思えば、周りの人に話したくのが
人間の性です。

確か、音楽業界も同じようなことが起こりましたね。
SNSやYou Tubeなどの無料動画配信で、
CDが売れなくなるのではないか?
と業界は戦々恐々としていたはずです。
ところが、逆に全世界に拡散されたことで、
売上が上がるCDもあったと言います。

無料で、オープンにすることは
とても抵抗があります。
しかし、それをあえてやってみて、
レッドオーシャンの中に、
小さなブルーオーシャンを作ってしまう。

仮にうまくいかなかったとしても、
広告宣伝だと思えば、
元は取れるのではないでしょうか?

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名称:NetGalley
提供会社:株式会社メディアドゥ
URL:https://www.netgalley.jp/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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