第51回 女性のマネジメントは「リスペクトが10割」

この対談について

地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。

第51回 女性のマネジメントは「リスペクトが10割」

安田

以前、スギタさんの会社の研修にご一緒させていただきましたけど、皆さんほぼ女性の方ですよね。確かご家族も女性ばかりとお聞きしましたし、職場でも家でも女性に囲まれてるわけですよね。


スギタ

ああ、確かにそうなりますね。

安田

うらやましいと思う人もいると思うんですけど(笑)、実は私は女性が多い職場が苦手でして。……女性とのコミュニケーションが下手くそなんでしょうね。おじさんと二人で飲んだり食べたりしてる方がホッとするし楽しいんですよ(笑)。


スギタ

めちゃくちゃわかります(笑)。僕もプライベートでは男友達と一緒にご飯を食べることが多いですし、それが心の支えでもあります。

安田

そうなんですね。でも傍から見ていると、スギタさんってすごく上手に女性をマネジメントされてるなぁと思うんです。私は全くできないので。女心がわからないというか、まだ動物のオスの方が理解できるというか(笑)。


スギタ

そこまでですか(笑)。

安田

いやいや、本当なんですよ。男と女というだけで、なんでこんなにも違うんだろうと不思議なんですよね。やっぱり女性のマネジメントが得意な経営者って、もともと女性と接するのが苦にならない人が多いですよね。


スギタ

ああ、そうかもしれませんね。

安田

だからスギタさんも、職場がほぼ女性でもストレスなく過ごせるんだろうなと。


スギタ

いや、もちろんあれこれ気はつかってますよ? そもそも僕自身、女性のマネジメントが得意だとは思ってないんです。ただ男性だと自分と重ねてしまう部分が大きいですけど、女性にはそれがないというだけで。

安田

ははぁ、なるほど。スギタさんとスタッフの方のやり取りを見ていて、遠すぎず近すぎず、絶妙な距離感だなぁと思っていたんですが、自分とは別物だと思っているからだと。


スギタ

ええ。いい意味で自分と全然違うので、最初からリスペクトがあるんだと思いますね。そういえばこの間、数少ない男性スタッフと話している中で、「チームや組織の関係性がうまくいくかどうかって、相手に対する敬意があるかどうかだよね」という話になって。

安田

確かにそうですね。待遇だけよくてもダメなんですよね。


スギタ

そうそう。そのスタッフも「100%そうですよ!」と言い出して、「組織は他者へのリスペクトが10割」という結論になったんです。

安田

それいいですね。「人は話し方が9割」みたいな感じで。


スギタ

ですよね。僕も「リスペクトが10割」という本を出そうかと思うくらいしっくり来ていて(笑)。でも本当に、それだけ他者への敬意って大事だなと思います。女性に対してもそれは変わらずで。だって、男性に比べて圧倒的に気配りができてたりするじゃないですか。

安田

ああ、確かに。男性ってわりと鈍感な人が多いですもんね。


スギタ

そうなんですよ。身だしなみにも無頓着だったりして。寝癖がついててもそのまま出社しちゃったり。

安田

ああ……女性が多いと職場もきれいに整えられているんでしょうね。なんだかいい匂いもしてそうです(笑)。いずにれせよ、先ほどスギタさんが仰った「リスペクト10割」という考え方が、女性社会でうまくやっていく秘訣なんでしょうね。

 


対談している二人

スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役

1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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