地元国立大学を卒業後、父から引き継いだのは演歌が流れ日本人形が飾られたケーキ屋。そんなお店をいったいどのようにしてメディア取材の殺到する人気店へと変貌させたのかーー。株式会社モンテドールの代表取締役兼オーナーパティシエ・スギタマサユキさんの半生とお菓子作りにかける情熱を、安田佳生が深掘りします。
第75回 料理とお酒のペアリングに隠された、変えられない「本質」

よかった。というのもね、どこの国のお酒も、その土地の料理と見事にマッチするじゃないですか。和食には日本酒が、フランス料理にはワインが、焼肉にはマッコリが、ソーセージにはビールがピッタリ合う。これって、なぜなんだろうと思って。

ふむふむ。料理なら別の食材を使ってみたり、味付けを変えてみたりと、いろいろと工夫がしやすいですもんね。つまり食文化はお酒を軸に発展してきたわけか。すごいなぁ。まあ最近は「酒は百薬の長」という言葉も過去のものになってしまって、「少量でも体に悪い」なんて研究結果も出てきていますけど。

そうそう。そういえば以前、日本酒の蔵元さんに「海外で日本酒を売りたい」と相談されたとき、「まず和食を広めるべきだ」と提案したことがあるんです。日本酒を売りたいなら、日本の食文化も一緒に売るべきだと思って。
対談している二人
スギタ マサユキ
株式会社モンテドール 代表取締役
1979年生まれ、広島県広島市出身。幼少期より「家業である洋菓子店を継ぐ!」と豪語していたが、一転して大学に進学することを決意。その後再び継ぐことを決め修行から戻って来るも、先代のケーキ屋を壊して新しくケーキ屋をつくってしまう。株式会社モンテドール代表取締役。現在は広島県広島市にて、洋菓子店「Harvest time 」、パン屋「sugita bakery」の二店舗を展開。オーナーパティシエとして、日々の製造や商品開発に奮闘中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。