この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第118回 政治家の本音はどこにある?
第118回 政治家の本音はどこにある?

そうそう(笑)。まあ政治に限らず何でもそうですけどね。現実に直面していくことで理想と現実の間にギャップが生まれてくる。さらに言えば、冒頭話していたように何をやっても叩かれちゃうわけでしょ。そりゃ嫌にもなりますって(笑)。

今考えると子どもっぽい考えなんですけど、日本中の経営者からお金を集めて、すべての選挙地に候補者を立てるんです。そうすれば議席の過半数を取ることも可能なんじゃないかって思って(笑)。政党名も「与党」っていう名前にするところまでは決めていました(笑)。

笑。とは言え、会社が潰れた後に奥さんから「貴方が何をやってもついていくけれど、政治家だけはやめてちょうだい」って言われましたので断念しました(笑)。まあ私自身も政治家には向いてない自覚がありますけどね。声も小さいし自己主張もほとんどしないし、リーダーシップもないので。一番政治家に向いていないタイプです(笑)。

そうですね(笑)。ちょっと話を戻しますと、本当に国や国民の幸福を100%考えている政治家もいるだろうと思う反面、それはせいぜい2割程度しかいないと私は思うんです。というのも、民主主義の日本では、「各地域の代表」が国政を決める。つまり選挙を勝ち抜かなければならないわけですよ。

いわゆる「部分最適」のジレンマなんでしょうね。それにしても政治家を目指す人って、相当な勇気がありますよね。政治家になった途端、公人となって、プライベートはある意味一切なくなるわけでしょ?

確かにそのイメージは強いかもしれない(笑)。でも例えば田中角栄さんなんて、今でも地元で愛されているし多くの政治家から尊敬されていますけど、プライベートもなかなかのものだったでしょ?(笑) でもそれを叩かれるようなことなんてなかった。時代の変化なのかもしれませんけど、今は大変ですよ。

そうですねぇ。そういう突然無職になるリスクまで受け入れて政治家になったのに、国民からはボロカスに言われるわけですから(笑)。「もう自分の利益のためだけにやらせてもらう」ってなっちゃうのも仕方がないのかも。

そうかもしれない(笑)。まぁ僕としては、やることさえやってくれれば聖人君子でいてもらう必要はないと思いますけどね。議員が不倫していたとかよく報道されますけど、そんなこといちいち目くじら立てて言うことなんかな〜とは思います(笑)。
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。