この対談について
株式会社ワイキューブの創業・倒産・自己破産を経て「私、社長ではなくなりました」を著した安田佳生と、岐阜県美濃加茂エリアで老舗の葬祭会社を経営し、60歳で経営から退くことを決めている鈴木哲馬。「イケイケどんどん」から卒業した二人が語る、これからの心地よい生き方。
第135回 故人を「AI復活」させる?
第135回 故人を「AI復活」させる?

僕は敢えてやらんでもいいんじゃないかなぁと思います。AIでどれだけ緻密に再現したとしても、他人の手が介在している以上、それは本人ではない。故人は決して生き返らないんですよ。逆に言えば、遺された人は「その人のいない世界」をしっかり生きていく必要があるわけで。

ふ〜む、なるほど。じゃあ仮に今、鈴木さんが20代だったとして、お子さんたちもまだ小さいのに余命があと数年しかないとしますね。で、奥さんから「子どもたちのために、あなたのAIを作って残してあげて」って言われたらどうします?

やっぱりそうですか(笑)。とは言え、今のAI技術ってどんどん進化しているじゃないですか。実際、生きているうちに様々なデータを取り込んでおくことで、本人の思考に限りなく近いAIができるみたいですよ。

あぁ、なるほど。確か以前の対談でも「社長の分身AIを作ればいい」って話、しましたよね。

確かに。もし99.9999%、イエス・キリストと同じ判断・同じ発言をするっていうAIがあったとしたら、ここまでのものになってない気がします。いろんな人が自分の頭で考えて、それを本に書いたり言葉で伝えていった。だからこそ今のキリスト教があると。

私は、自分で書いたメルマガをたくさんネットに投稿していますけど、その理由が、言葉はずっと残るから、でして。100年前200年前にこんなことを書いていた人がいるんだな、というのをずっと残したいんです。でも仰るように、それは文字として残れば充分なんですよね。

本当ですね(笑)。鈴木さん、ぜひエンディングノートには、財産分与やお墓とか仏壇だけでなく「AIでの復活」についても触れる項目を入れておいてください!
対談している二人
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















