泉一也の『日本人の取扱説明書』第16回「too shy shy Japanese」
著者:泉一也
日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。
日本人は外国人からシャイと言われることが多い。日本は恥ずかしがり屋さんたちが作る国なのだが、酔っ払いオヤジやオバタリアン(死語か・・)など厚顔無恥な存在も街にうようよいる。反動分子なのだろう。
「恥の文化」といわれる日本文化。欧米は「罪の文化」といわれている。恥というのは、周りの人が感じていることを大事にする感性である。極端にいうと、欧米では宗教的な戒律を犯したことに罪悪感をもち、神に許しを乞う(懺悔)が、日本では周りの人たちに迷惑をかけたという「恥」を、謝罪や反省として表現し許しを乞う。その極みが切腹だろう。つまりは、他を感じる感性が豊かなのである。しかし、周りが「主」になりすぎると、自分を卑下し、時には殺してしまう。自分に軸がないと、周りに流され翻弄されやすく、逆に自分に軸があれば、気品を漂わせることもできるのが日本人である。
中二の息子は「別にぃ」「どっちでも」といった表現をよく使う。自分の意思をあらわにすると、どのように周りに感じられるかを敏感に感じるので、ハッキリさせない。自分が周りの感性で特定化されるのが嫌なのだ。これは豊かな感性を持っている証拠である。そして自分の軸がまだないけど「軸を持ちたい」という表れでもある。日本人はハッキリものを言わないのは、信念がないわけでも、意見がないわけでもなく、恥の感性が高いからなのである。
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