第162回「ヤパンの国(第4話)」

このコラムについて

日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。

前話(第3話)のお話。
10人の天才仲間ができたアナンはノザンの脱出に向けて、彼らと画策をはじめた。


頭の回転が速いリホツは、一瞬にして脱出作戦を提案してきた。「衛兵反逆作戦」と名づけ、衛兵たちを洗脳し、彼らにストライキをさせて、ここから脱出をしようという作戦だ。リホツは一人一人の役割を話し始めた。

「心を読む天才のアナンには、衛兵たちの不満を読み取って欲しい。どんな不満を燻らせているか。反逆に繋がる不満の火種を探して欲しい」

「疑いの目を持つケンレンは、アナンかからその不満の火種を聞いて、火種を炎にして欲しい。自分たちは騙され、損をしているのではないか?と疑いの目で物事を見るように促すのが役目だ」

「大衆を扇動する力のあるカショウは、ストライキとは雇用主との交渉術であることを、衛兵の中で最も影響力の強い相手に、こっそりと吹き込んで欲しい」

「平和の人ボダイは、我々10人は反抗せず、逃げ出しもしない、そんな雰囲気を醸し出して欲しい。衛兵を油断させるのが役目」

「弁論術に長けたラニシは、ケンレンとカショウにどのように衛兵に話を吹き込んでいけば、説得力が高まるかと、伝え方についてアドバイスしてほしい。二人が衛兵に吹き込むセリフを書くのが役目」

「センネンの難しいことをわかりやすく説明する能力でもって、この作戦をひとりずつに再度説明をして欲しい。この作戦の一番大事なポイントについてそれぞれが理解を深めるために」

「ナリツにはアナンが衛兵の心を読むチャンスを作ってほしい。心を読んでいることを悟られないように、衛兵の気をそらすのが役割」

「法律に詳しいパリは、衛兵が雇用契約で不利な契約をしていて、さらに国が契約を破っているという理屈をケンレンに教えてあげて欲しい。ケンレンのブレインとなってください」

「幸せに気づかせる才を持ったダールタには、衛兵同士の仲間内にある不満をアナンから聞いて、それを解消して欲しい。衛兵同士の信頼関係を高め、絆を太くし、一致団結してストライキができるように」

「武術マスターのゴラは、強くなりたい気持ちが強い衛兵は誰かと、アナンから聞いて、その衛兵を弟子にして欲しい。こっそりと、強くなるための極意や技を教えて、その衛兵を成長させ我々の仲間にするのが役割」

10人がノザン脱出というゴールに向けて、一つのチームとなった。

(第5話へと続く)
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それぞれの強みを活かし合う。これこそが場活であるが、日本では長所を活かし合うよりも、互いの短所にフォーカスする関係になりがちである。それはナゼ?そしてどうしたら強みを活かし合えるようになるのか。

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著者情報

泉 一也

(株)場活堂 代表取締役。

1973年、兵庫県神戸市生まれ。
京都大学工学部土木工学科卒業。

「現場と実践」 にこだわりを持ち、300社以上の企業コーチングの経験から生み出された、人、組織が潜在的に持つやる気と能力を引き出す実践理論に東洋哲学(儒教、禅)、心理学、コーチング、教育学などを加えて『場活』として提唱。特にクライアントの現場に、『ガチンコ精神』で深く入り込み、人と組織の潜在的な力を引き出しながら組織全体の風土を変化させ、業績向上に導くことにこだわる。
趣味は、国内外の変人を発掘し、図鑑にすること。

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