日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。
前話(第4話)のお話。
リホツの智才により、隔離施設「ノザン」脱出にむけて10人それぞれの役割が決まった。衛兵たちにストライキを起こさせ、その隙に脱出する「衛兵反逆作戦」が始まった。
ナリツ(アナンの従兄弟)の助けを得て、衛兵たちの不満を読み取ったアナン(心を読む天才)。どうやら衛兵の間で不公平が不満となっていることがわかった。縁故で入隊した衛兵数人たちの待遇が良すぎるのだ。実力もないのに出世し、偉そうにしているわ、給料は高いわ。ミスをしてもたいして咎められないのだ。
その情報を知ったケンレン(疑惑の天才)は、ラニシ(弁論術の天才)のアドバイスを受けて、下っ端の衛兵たちに噂を巻いた。縁故組は隊長に対して「嘘の報告」をしていると。鍵のかけ忘れや、遅刻など現場の怠惰から生まれたミスを大々的に取り上げ、その怠惰を自分たちで取り締まり、解決をしたと報告しているらしい・・そういった真実と思えるような疑惑をこっそりと衛兵に伝えていった。
カショウ(扇動の天才)は、衛兵の中で反逆のリーダーなり得る人物を探していた。ある日、「我々は我慢していてはダメだ。行動を起こそう!」と仲間にけしかけている衛兵ダントンを見つけた。ラニシ(弁論術の天才)は、衛兵ダントンしか行動するリーダーがいないと信じさせる言葉をカショウに伝えた。
ボダイ(平和の天才)は、日々のほほんとして衛兵たちをリラックスさせ時には笑わせ、油断させ続けた。まさかそんな作戦が裏でなされているとは思わないように。
パリ(法律の天才)はケンレンに法律的な知識を与え、不公平な待遇であることは法律違反であることを論理立てて説明した。ケンレンはさらに、衛兵たちに法律的知識を与えて、疑惑の目を強固にした。
センネン(わかりやすく説明する天才)は、リホツの提示した「衛兵反逆作戦」をわかりやすく絵と図にした。その絵と図を使うことで、具体的な打ち合わせが容易にでき、チームワークがさらに良くなった。
ダールタは、下っ端の衛兵たちが、互いに信頼関係が生まれるように、仲間がいる幸せを説いた。衛兵たちは互いに感謝の言葉を伝え合うようになり、運命共同体的な一体感が生まれてきた。
ゴラ(武術の天才)は、武術が好きそうな衛兵ピエールに強くなる極意を日々、少しずつ教えていった。ピエールは、みるみる強くなり、ゴラを心から尊敬するようになった。そして自ら弟子入り志願をしてきた。ゴラは一つ条件をピエールに言った。脱出を手助けしてほしいと。誘導係となることを師匠のゴラに誓った。
10人がそれぞれの持ち場で役割を果たし、ノザン脱出が現実味を帯びてきた。
(第6話へと続く)
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将棋は、敵駒をとって手駒にできるというルールがある。囲碁との大きな違いである。大掛かりな作戦は囲碁のように陣地取り的思考が必要だが、一人一人を活かす小回りを利かせた作戦は将棋的思考が必要である。日本人は将棋的思考に長けた民族であろう。
では日本人に向いた将棋的思考とは?続きはfacebookグループの「場活王」にて。
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泉 一也
(株)場活堂 代表取締役。
1973年、兵庫県神戸市生まれ。
京都大学工学部土木工学科卒業。
「現場と実践」 にこだわりを持ち、300社以上の企業コーチングの経験から生み出された、人、組織が潜在的に持つやる気と能力を引き出す実践理論に東洋哲学(儒教、禅)、心理学、コーチング、教育学などを加えて『場活』として提唱。特にクライアントの現場に、『ガチンコ精神』で深く入り込み、人と組織の潜在的な力を引き出しながら組織全体の風土を変化させ、業績向上に導くことにこだわる。
趣味は、国内外の変人を発掘し、図鑑にすること。