第77回「県民認知度100%の小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

「県民認知度100%の小さなブルーオーシャン」


「生活に密着した自動販売機」

山梨県、長野県の道路上にある自動販売機
「ハッピードリンクショップ」
をご存じでしょうか。

山梨県で約600店舗、長野県で約600店舗。
合計で1200店舗以上を展開しており、
地元では、子どもからお年寄りまで、
認知度100%!
生活に密着した自動販売機ストアなんです。

山梨・長野の道。
車を走らせていると、突如現れる、青地に黄色の文字。
そして、自動販売機がずらっと並んだスポットが。
これが、「ハッピードリンクショップ」です。

運営しているのは山梨県笛吹市にある
株式会社フローレン。

そもそもは一般商店に自動販売機を
設置する会社だったそうです。

一昔前によく見かける光景でしたね。
●●商店だったり、××たばこ店だったり
の前にある自動販売機。
ドリンクの補充も店主が、ガッチャン、ガッチャン、
やっているのをよく見かけました。

しかし、個人商店は、
店主の高齢化や大型店の出現で激減。
当然、自動販売機の設置件数も減っていきます。

そこで生まれたのが
「ハッピードリンクショップ」。

運転中のお客さんがメインターゲット。

設置場所は道路脇。
特にコンビニが出店されていないようなところ。

ドライバーは40〜50キロのスピードで走っています。
自動販売機の存在に気づいても、間口が狭いとなかなか止まりづらい。
そこで、なるべく間口を広くして車が入りやすいスペースにする。

ただ、自動販売機が並んでいるだけと思いきや、
かなり戦略的に行なっていることがよくわかります。

私も車を運転する方で、
特に、スキーやキャンプなどに行くと、
朝早いあるいは夜暗い道を走ることが多くなります。
そんな時に、ふと出現する明るい場所。
自動販売機がズラッと並んだ場所。
これが「ハッピードリンクショップ」だったんですね。
まさにハッピーな気分になる瞬間です。

条件を逆手に取り、状況を上手に利用した
小さなブルーオーシャンだと思います。

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名称:ハッピードリンクショップ
運営会社:株式会社フローレン
山梨県甲斐市西八幡1174
URL:http://floren-d.jp/
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佐藤 洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

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