第10回 「ネーミングに留まらない」プロ

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第10回 「ネーミングに留まらない」プロ

安田
前回は「ネーミングのプロ」についてお聞きしましたが、その中に「ネーミングに留まらないすごいプロクリエイター」がいるんですって?

渡邉
ええ。安田さんと僕の共通の知人でもあるんですけど、一見するとそんなにすごいクリエイターさんという感じではないですよね。
安田
確かにそうかもしれませんね。第一印象はどうだったんですか?

渡邉

初めてお会いした時は、正直、「ちゃんと話聞いてくれてるのかな?」という感じで(笑)。ヒアリングはしてくれるんですが、こちらが一生懸命答えているのに上の空で。大丈夫かな……と思っていたら、あるとき突然目の色が変わって。

安田
面白いですね。何かのスイッチが入るんでしょうか。

渡邉
そうですね。何かを察知する瞬間みたいなものを感じましたね。
安田
プロのアンテナが立ったんですかね。ネーミングの方はどうなんですか?

渡邉
とにかくスピードと精度がずば抜けていますね。いろいろなクライアントさんにも紹介させてもらったんですが、総じて満足度が高いです。
安田
なるほど。そんなネーミング技術がありながら、一方で「ネーミングに留まらない」人でもあると。どういうことなんでしょう。

渡邉
なんというか、ネーミングを考えて終わりじゃなくて、クライアントの文化や特徴を言語化して、それを社内の結束力に変えたり、集客力に変えたりするのも得意分野なんです。
安田
つまり「企業文化を言語化する」ってことですか? ビジョンや行動指針を考えてライティングするというような。

渡邉
もちろん最終的なアウトプットはそういったものになりますが、その方は「作るプロセス」自体にすごく価値を置いてるところが特徴的ですね。
安田
ビジョンや行動指針って、ネーミングと同様に「作れと言われればサッと作れそうな感じ」がしちゃいますけど。でもその方はそうしないと。
渡邉
そうですね。というのも会社のビジョンや行動指針って、上層部から一方的に与えられたり、外部の専門家が作ったりすると、どうしても社員さんが蚊帳の外に感じてしまうんですよね。そういう意味でネーミング以上に「作り方」が重要というか。
安田
ああ、確かにそうでしょうね。ただ作って広報するだけでは、社内に浸透しないですよね。

渡邉
そうなんです。浸透させるには社員さんに「自分ごと」として感じてもらわらないといけません。ですからそのプロの方の場合、かなり丁寧に一人一人の話を聞いていくわけです。
安田
へえ。あんまりたくさん聞きすぎると、わけがわからなくなっちゃいそうですけど。

渡邉
そこがプロの腕の見せ所で。まずは一人一人の話を聞いて情報を集め、それを整理したり分類したりしながらまとめていって、最終的にいくつかの短い言葉にするんです。
安田
現場の言葉を丁寧に拾って、それをもとにビジョンや行動指針を作っていくんですね。「これ私が言った話だ」みたいなのがあると、嬉しいでしょうね。

渡邉
そうそう。実は弊社でもお願いしたんですが、皆の意見や今までの想いを取り入れてもらってるので、僕自身も嬉しかったですし、社員の中でも納得感があって。今でもよく話題に出ます。
安田
確かに、そこはあえて時間をかける価値がありそうですね。一方で、社内を巻き込むというか、会社の中にガンガン入り込んで進めていくとなると、そういうことが好きな人じゃないとできない気がしますけど(笑)。
渡邉
そうですね(笑)。企業の価値を見つけ出して物語にしていくのが好きな方なので、そこまで力を入れられるんでしょうね。
安田
社員さん一人一人から話を聞きながら、実際に形になるまでにはどのくらいの期間がかかるんですか?

渡邉
だいたい1年くらいですね。単に取材してまとめるだけだったら、3~4ヶ月でできちゃうんですけど、敢えてそれを何回か社員さんたちと練り直すんですよ。
安田
なるほど。そこで「一緒に作っていく」感覚が芽生えるわけですね。

渡邉
仰る通りです。最終的に、まさに「自分の言葉」っていう意識になることが大事なので。
安田
そのさじ加減がやっぱり「プロ」ですよね。私も一緒にネーミングのお仕事をしていて思うんですけど、もちろん「すごい!」っていう驚くようなネーミングもあるんですけど、全部が全部そうじゃないというか。

渡邉
全部のネーミングが斬新なわけじゃないかもしれないですね。ただ、その会社さんからすると「まさにこういうの探してました」ということだったりするので。
安田
「まさに自分たちがやろうとしていたことだ」っていうのを言語化するのがすごく上手いんですよね。

渡邉
会社のビジョンとか行動指針でも、先方の満足度がめちゃくちゃ高いですからね。
安田
私はもうどんな仕事をしても安田佳生カラーの商品になっちゃうので、その辺で自分との違いは感じますね。
渡邉
そこが安田さんの魅力でもあるんですけどね。そういえば、弊社でもYouTubeを始めることになったんですけど、そのネーミングも依頼しまして。
安田

なんていうチャンネルなんですか?

渡邉
「よせなべ」っていうんですけど(笑)。
安田
なるほど。寄せ鍋をつつきながら話すんですね(笑)。
渡邉
お酒を飲みながら寄せ鍋をつついて、ゲストの本音を引き出していくっていう。 「よせ~!なべさん~!」って言われるくらいのギリギリを攻める番組らしいです(笑)。
安田
肝臓マーケティングの極意が垣間見えそうな、渡邉さんにピッタリの内容ですね。さすが「ネーミングに留まらない」プロです。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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