第42回 中小企業の採用は「第二新卒」と「シニア」が狙い目

この対談について

住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。

第42回 中小企業の採用は「第二新卒」と「シニア」が狙い目

安田
建築業界、特にリフォーム系の会社は新卒中心で採用しているというお話でしたけど、実は中小企業には第二新卒の方が向いているんじゃないかと思うんです。

渡邉
第二新卒というと、新卒で2〜3年働いて、「社会人としての基礎が身に付いた状態」ということですよね。
安田

ええ。新卒よりも年収は少し高くなってしまうんですが、「育成コスト」や「定着率」を考えるとお釣りがくるんじゃないかと。


渡邉

なるほど。でも知識や経験がある分、新卒よりも目が肥えているわけですよね。その中で優秀な人を採用しようと思ったら、新卒よりもさらに難易度が上がる気がします。

安田
まあ、新卒向けの「ワクワクするようなビジョンで盛り上げて…」というような方法は使えないでしょうね。とはいえ新卒の子たちも、昔よりはシビアに見るようになったとは思いますけどね。

渡邉

ああ、確かに。昔はなかなか外部の情報も入ってこないし、入った会社で頑張るのが基本でしたけど、今はもっと冷静に会社を見てますよね。1社目としてどれだけ自分を育ててくれるのかと。

安田
そうそう。そうなると必然的に、「育て上手な会社」に人気が集まりますよね。でもその場合、立派に育った頃に転職していってしまうので、よっぽどの大手じゃないと元が取れないわけです。

渡邉
確かに大企業だったら、10人のうち1人か2人でも残ってくれて、その人たちが儲かる事業を立ち上げてくれたら十分元が取れますよね。でも中小企業の場合はそういうわけにいかない。
安田
ええ。だからこそ、1社目で最低限のマナーとかビジネススキルを身に付けた第二新卒に対して、「次の3〜4年でこんなスキルが学べますよ」という打ち出し方をした方がいいんじゃないかと。

渡邉
なるほど。とはいえ一括採用の新卒と違い、第二新卒を狙うんだったら、1人1人に合わせた求人を作らないといけないでしょうね。
安田
ええ、仰るとおりです。それこそ10人採用するなら10通りの求人を作るくらいの気持ちでないと。そこで大事になってくるのが、「その人は次の職場に何を求めているか」ということです。そこを1人1人分析して、求人内容を作っていく。

渡邉
ああ、確かに。「こんな高価値のスキルが学べますよ」「社長の経営勉強会に参加できますよ」とか。そう考えると、第二新卒の中でも「業界未経験者」の方が採用につながりやすいかもしれないですね。業界の専門知識を得られるというのはメリットになりますから。
安田
そうですね。つまりこれからのキャリアプランとしては、新卒でゼロからある程度学んで、次の会社で何かしらの専門性を身に付けると。
渡邉

そこでしっかり頑張れば、30〜40代で3社目に行く頃にはかなり稼げるようになっている。

安田
そうそう。大谷選手のドジャースみたいになるわけです。そうするとその後の50〜60代では、収入を少し下げて余裕を持って好きな仕事をやっていくっていう選択もできるので。

渡邉
そうですよね。ということは、20代後半の第二新卒と50〜60代のシニア層も中小企業にとっては狙い目かもしれませんね。
安田

そうですね。逆にそこを戦力化できないと人不足は解消できないと思います。


渡邉
確かに。年代別の採用で足元を固めつつ、省力化も進めていく必要がありますよね。僕も最近仕事でChatGPTを本格的に使い始めたんですが、今まで2〜3時間かけていた作業が5分で終わってしまうんです。
安田

そうですよね。私も画像を作るのに使いますよ。ちょっとした挿絵を使いたい場合にすごく便利で。最近のSNS投稿はそれで画像を自分で作って投稿してます。


渡邉
ああ、そういう使い方もありますね。これからデザイナーさんたちもAIをバンバン使いこなすようになっていくんでしょうね。最近堀江さんのChatGPTに関する本を読んだんですけど、ChatGPTをはじめとするAIが劇的に世の中を変えるんだろうなと再認識しましたよ。
安田

確かに変化のスピードはどんどん早まってますからね。これでChatGPTで動画編集までできるようになったら、堀江さんの言っていた「動画の編集ができれば食える」というのも覆されてしまう。

渡邉
本当にそうですね。他にも過去のデータを元に、その人が普段送るような文章でメッセージを作って送れたりしますから。本当に本人とやり取りできてるのかすらわからない状態で仕事が進んでいくこともあり得ますよね。
安田

そうそう。「安田的文章」を書いてもらうこともできますからね。すごい時代ですよ。

 


対談している二人

渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役

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1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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