住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。
第61回 定着率も採用力も上がる「新卒5年卒業モデル」
なるほど。私は最近、20代未経験者の「5年ローテーションモデル」、つまり5年で卒業する前提での採用を提唱してまして。建築業界の新卒採用でも活かせるんじゃないかと思うんですが。
ふーむ、個人的にはすごく賛成なんですけど、「大金をかけて採用した社員を、辞めてもらう前提で入社させるなんて」と考える経営者も多いかもしれません。「5年後に辞めなきゃいけない会社なんて、誰も来るはずがない」という意見も出そうです。
つまりね、5年ローテーションモデルの最大の特徴は、実は「5年で辞める」からではない。むしろ「5年間は辞めずに頑張ってもらえる」っていうことなんです。
ええ? 辞めちゃうかもしれない人材のために、そこまでするんですか?
そうですよ。だって、そういうメリットがないのに5年頑張る理由はないじゃないですか。転職で収入が一気にポンと跳ね上がる人材にしてもらえる、そう信じられるからこそ、それまでの5年間を頑張ってくれるわけです。
そうそう。つまり採用力も上がるんです。実際にこういう制度を取り入れた会社は、明らかに定着率が上がってますし。
実はこれ「結婚」から考えたんですよ。自分自身や周りの経験から、もし「10年後に離婚か継続か選べる」というルールがあったら、もっと円満な夫婦が増えるんじゃないかと思って。
多分8年目くらいになるとお互い考え始めるわけです。この結婚を続けるのかやめるのか。続けたい人は「あと2年で盛り返さないと別れられてしまう!」と頑張るし、別れたい人も「あと2年我慢すれば終わりだから」と思える。
そうなんです。「40過ぎて離婚して次はどうするんだ」という意見もあるんですけど、この制度が当たり前になれば、皆が10年ごとに婚活マーケットに出てくるんですよ。転職市場にどんどん新しい人が出てくるのと同じで。
そうでしょう?(笑)
それを先ほどの「5年ローテーションモデル」で考えると、毎年3人ずつ採用したとして、5年後には15人のチームができるわけですよね。仮に5年目の人材が3人抜けても、同時に新しい1年目が3人入ってくるから、常に15人いる状態は維持できる。これはいいですよ。
そうそう。1〜5年目の人材が常に3人いる状態を保てる。さらに「辞めずに残る」という選択をする人も出てきます。
まぁ、「5年ローテーションモデル」にしても、6年目以降が2〜3割しか残らない状況は簡単には変わらないでしょうけどね。ただ5年間は頑張ってもらえる。つまり「今までならもっと早く辞めてしまってた人」を減らせるんです。もっとも、そのためには先ほど出たように、転職時に市場価値が上がる教育が不可欠なわけですけど。
ええ、まさにそう思います。そういう型を作るところから、プロ人材のお力をお借りできれば心強いですよね。教育については、オンライン研修も積極的に活用した方がいいと思いますね。プロの研修講師や個人で既に稼いでいるスペシャリストを講師に招いたりして。
そうなんですよ。5年後に自分の収入を増やせるかどうかという研修なので、一生懸命聞くんじゃないかと。
そうですね。業務委託になっても元の会社と仕事で繋がれるような仕組みを作ることが大事だと思います。
対談している二人
渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役
1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。