住宅業界(新築・リフォーム・不動産)の「課題何でも解決屋」として20年以上のキャリアを持つ株式会社ランリグが、その過程で出会った優秀な人材を他社に活用してもらう新サービス『その道のプロ』をスタートしました。2000名以上のスペシャリストと繋がる渡邉社長に、『その道のプロ』の活用方法を伺う対談企画。
第90回 「業務委託で回る会社」の新しい常識
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質が下がったというより、採用してもなかなか成果につながらないという感じですね。中小企業って、不測の事態や新しい挑戦が次々に出てくるじゃないですか。そういう中でマルチタスクをこなせる人材がなかなか見つからないというか。
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確かに、自分より高い給料を提示するくらいの覚悟がないと難しいのかもしれません。ただウチの場合は幸いなことに、業務委託という形での繋がりは増えているので、働きながら少しずつエンゲージメントを高めてもらう方法も取れるのかなと。
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ちなみにランリグさんでは社員と業務委託の仕事ってどうやって切り分けてるんですか?
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なるほどなぁ。確かに昨今は、「成果によって給与が変わる」システム自体が敬遠されてますよね。というか、人手不足の中で、決まった時間普通に働いていれば給与が上がっていく世の中になってしまった。そりゃわざわざリスクを取ったりしないよなと。
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このまま人件費が上がっていけば、耐えられない会社はたくさん出てくるでしょうね。差別化やブランディングに真剣に取り組んで、付加価値で稼げるようにならなきゃいけない。そうしないと、優秀な人の採用もできなくなっていきますから。
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優秀な人はフリーランスや業務委託にシフトする流れがさらに加速するでしょうね。端的にそっちの方が稼げるので。ちなみにもし渡邉さんが「一生社員でいなければいけない」という縛りがあったら、今みたいに全力で仕事を頑張れます?
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僕の感覚的には、サラリーマンとして縛られるのは牢獄みたいに感じますけど(笑)。一方で、会社があってこそ安心できる人もいるというのは理解できます。そういう人にとっては、「釣りバカ日誌」のハマちゃんみたいな働き方が理想なのかな(笑)。
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でもそうなると、「会社」の存在意義ってなんなんだろうと感じてしまいます。理念やビジョンを掲げても、待遇が伴わないと社員は離れていく。そして独立して業務委託としてガンガン稼ぎ始める…。なんともシビアな世界だなと。
対談している二人
渡邉 昇一(わたなべ しょういち)
株式会社ランリグ 代表取締役
1975年、大阪市に生まれる。大学卒業後、採用コンサルティング会社ワイキューブに入社。同社の営業、マーケティングのマネージャー、社長室長及び、福岡などの支店立上げを担当し、同社の売上40億達成に貢献した。29歳の年に株式会社ラン・リグを設立し、今期20期目。述べ900社以上の住宅会社のマーケティング、人材コンサルティング支援と並行し、500店舗以上が加盟するボランタリーチェーン「センリョク」など、VC、FC構築にも多数携わる。また、自身が司会を務め、住宅業界の経営者をゲストに招き送る自社のラジオ番組は、6年間で、延べ300回以上の配信を経て、毎月2万人以上の業界関係者が視聴する番組に成長した。今年5月には、2000人以上のプロ人材とのネットワークを生かした~社長の右腕派遣サービス~【その道のプロ】を本格リリース。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。