ニッチ×ニッチ

プロアスリートや人気お笑い芸人のように、
一芸だけで大金を稼ぐのは容易ではない。
そこで考え出されたアイデアが
「ニッチ×ニッチ」戦略である。
100万人にひとりの才能を持つ人は滅多にいない。
だが100人にひとりの才能なら誰にでもあるはずだ。

たとえば歌手にはなれないが飛び抜けて歌が上手いとか。
オリンピックには出れないが
42.195キロを完走できるとか。
100分の1の才能も3つ掛け合わせれば
100万分の1になる。
これが「ニッチ×ニッチ」戦略である。

それなら何とかなるかも!と
希望を持った人は多いと思う。
だが現実問題としてこれでメシを
食っていくことは簡単ではない。
その理由はニッチな人たちを
観察してみればよく分かる。

たとえば人並み以上に歌が上手く、
マラソンを完走できる身長190センチの人は
かなりニッチである。
だがそれだけではメシが食えない。
なぜならそういうニッチには顧客がいないからである。

メシを食うには「ニーズのあるニッチ」の
組み合わせが必要なのだ。
スペシャルとまではいかないが、
私には求められるスキルがある。
求めてくれるお客さんがいる。
それが100分の1ニッチの条件である。

だがそんなニッチを3つも抱えている人は稀だ。
つまりニッチスキルを3つ揃えることは
想像以上に難しいのである。
では3つ揃えられない人はどうすればいいか。
新たなニッチを身につけるべきなのか。
しかし人に求められるニッチを
身につけることなど簡単ではない。

そこで私が提唱するのが
「ニッチコラボ」という戦略である。
3つ求めるのではなくひとつのニッチに
ひたすら磨きをかける。
そして自分とは違うニッチを持った人とコラボする。

中途半端なニッチを3つ持つより、
磨き上げたニッチをコラボするほうが
遥かに際立った商品になる。
重要なのはコラボ相手の選定である。

イメージしやすいのは
顧客が似通っている人とのコラボである。
だがこれはオススメではない。
なぜならそのコラボは大きく飛躍しないから。

私の顧客を紹介する。
コラボ相手の顧客を紹介してもらう。
そこでマーケットは閉じてしまう。
目指すべきは公約数ではなく公倍数だ。
組み合わせることで新たな商品が生まれる。
新たな顧客とマーケットが創造できる。
そういうニッチコラボを日々妄想するのである。

 

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1件のコメントがあります

  1. 自分のニッチとは何だろうと、先ず自問自答したいと思いました、思います。

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