売れない良品

良い商品、良いサービスが、売れているとは限らない。むしろ売れていないケースの方が多い。せっかくの良い商品やサービスも、その9割以上が売れないまま消えていく。では売れている商品は安いのか。いや、むしろ高かったりする。高いにも関わらず売れている。安いにも関わらず売れていない。なぜこのような現象が起こるのか。それは売り方が下手だからである。

どんなに良い商品やサービスも使ってみないことにはその良さがわからない。分からないものは売れない。もったいないことに、こうやって数々の良品、良サービスが売れないまま消えていく。多くの人はここで諦めるか、もしくは新たな商品・サービスを考える。だが商品を変えても結果は同じである。なぜなら問題は商品ではなく売り方にあるからだ。

商品自体は良いものなのだから、売れさえすればリピートに繋がる。そこから紹介も生まれるだろう。問題は最初の一手だ。良い商品を売れる商品に変えるアイデア。これがないことには顧客が獲得できない。見方を変えればここには大量の遺失利益が埋もれている。良い商品を新たに作るのではなく、既にある良い商品を売れる商品に変える。これだけで新たなマーケットを手に入れることができる。

ポイントは良い商品と売れる商品を分けて考えること。二つが別ものであるという前提で販売戦略を練ること。「欲しい」「使ってみたい」「このサービスを受けてみたい」そう思ってもらうためのコンセプト設計。これこそが売れる商品の根幹である。現代社会には商品も情報も溢れかえっている。そこにただ商品を並べるだけでは絶対に売れない。

有名人を使い、露出を増やし、情報を刷り込んでいくというやり方もある。だがそれは大きな資金を動かせる会社だけに許された戦略だ。小さな会社はもっと捻りを効かせなくてはならない。思わず足を止め、吸い寄せられるような違和感。それがないと人は素通りしてしまう。

デザイン、ネーミング、キャッチコピーで、まず相手を振り向かせる。ついつい読んでしまう商品説明で「欲しい」「使ってみたい」「このサービスを受けたい」という購買意欲を盛り上げる。ここに持てる時間と限られた予算を全投入する。商品ページを作る予算のうち半分を商品コンセプトに当てる。

ネーミングやキャッチコピーに本気で投資する中小企業はほぼ皆無。100社に1社もない。だからここに投資をすれば圧倒的に勝てる。限られた予算を有効に使うために、他社が1円もかけないところにBETすべきなのである。
 

 

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