バカとハサミは使いようだと昔から言われている。詰まるところ活躍するかどうかは使う側の問題なのである。どんなに切れ味のいいハサミでも逆さまに持てば切れない。自分の手を切ってしまう。現実社会でハサミを逆さまに使う人を見たことはないが、人を逆さまに使う人はそこら中でお見かけする。
なぜハサミは逆さまに持たないのに人は逆さまに使ってしまうのか。それは人の使い方を知らないからである。ハサミを見たことがない子供が逆さまに持ってしまうのと同じ。ハサミも人間も構造は変わらない。手で持つ部分があって対象を切る刃の部分がある。対象物を挟んでしっかり手を動かせば紙は切れる。
ちゃんと使っているのに切れないと文句を言う人もいる。文句を言う前にまずメンテナンスはしっかりできているだろうか。刃が錆びていたりテープの糊が付着して切れないのはハサミのせいではない。それは使用者のメンテナンスが悪いのである。動きが悪ければ油を差す。当たり前のことではないだろか。
当たり前と言えば目的に合うハサミを使わねばならない。美容師なら髪を切るハサミ、料理人なら料理用のハサミ、細かいところを切るなら先の細い小さなハサミを使う。多少用途が違ってもハサミは切れる。だが切れ味は落ちるし使い勝手も悪い。もちろんそれはハサミのせいではない。使う側が悪いのだ。
人を使う仕事をするなら心に留めておこう。使えないのは使う側の問題である。まずは相手をしっかり観察する。どういう仕事をどのように頼めばこの人はうまく動けるのか。何用のハサミなのかをしっかり見極めるのだ。次にメンテナンス。刃を研ぎ、油を差すのは使用者の仕事であることを忘れない。
気持ちよく働けるように声をかけるのも、上手く出来ない仕事のやり方を教えるのも、もちろん使用者の仕事である。勘違いしないでほしいのだが私は「上手く使え」と言いたいのではない。人を使うスキルがないなら人を雇ってはいけないと言っているのだ。髪を切るハサミは美容師が使うべきものだ。
料理用のハサミで髪を切るのは間違っている。技術もないのに髪を切ることも間違っている。変な髪型になってもそれはハサミのせいではない。人もハサミも同じだ。使うスキルのある人だけが使うことを許される。給料を払っているのは高いハサミを買ったのと同じ。それで髪が切れたら誰も苦労はしない。
尚、同日配信のメールマガジンでは、コラムと同じテーマで、より安田の人柄がにじみ出たエッセイ「ところで話は変わりますが…」と、
ミニコラム「本日の境目」を配信しています。安田佳生メールマガジンは、以下よりご登録ください。全て無料でご覧いただけます。
※今すぐ続きを読みたい方は、メールアドレスとコラムタイトルをお送りください。
宛先:info●brand-farmers.jp (●を@にご変更ください。)

















