変と不変の取説 第59回「頭が硬いのは誰?」

「変化だ、変化だ、変化が大事だ」とみなさんおっしゃいますが、会社も商品も人生も、「変えなくてはならないもの」があるのと同様、「変わらないもの」「変えてはならないもの」もあるのです。ではその境目は一体どこにあるのか。境目研究家の安田が泉先生にあれやこれや聞いていきます。

 第59回「頭が硬いのは誰?」

前回、第58回は「変わりたいのは誰?」

安田

最近タバコを吸わない人が増えましたね。

激減じゃないですか。

安田

日本人男性って、かつては9割ぐらい吸ってた時代があったそうです。

そうですよ。吸う人が圧倒的なマジョリティーでした。最近でこそ吸わない人が増えてきましたけど。

安田

それでも海外と比べると、まだまだ規制は甘いみたいですね。

そもそもタバコの値段が桁違いに高いですから。海外は。

安田

日本はタバコに対する規制が遅れてると言われてますけど、やっぱり税収が大きいからでしょうか。

利権問題はあるでしょうね。

安田

規制を考えるはずの政治家が、いちばん遅れている気がします。

旧世代のおじいちゃん達が居座ってますから。

安田

議事堂の中でモクモク吸ってそうですよね。

海外の規制が早いのは、強く声を出せる文化みたいなのもあります。

安田

日本は声をあげ辛いってことですか?

「ちょっとこっちが我慢するか」みたいな文化。許容する文化なので。

安田

確かに。隣の人に「よろしいでしょうか」って言われたら「ダメです」って言えないですよね。

本当は嫌でも言えない空気があるじゃないですか。

安田

新幹線の座席とかもそうですよね。「倒していいですか」って聞かれたら「ダメです」とは言えない。

たまに聞かれますよね。

安田

はい。聞いてくる人いますよね。「ダメです」って言ったらどうすんだろうっていつも思います。

あれは「どうぞ」って言われるのを前提に聞いてますので。

安田

ですよね。「なんのため?」って感じがします。

でも一応聞くってのが日本流のマナーなんですよ。

安田

予定調和みたいな。

そう(笑)

安田

日本のマナーって基本的にそんな感じですよね。

「嫌だ」って言うこととかが出来ないんです。「こっちがちょっと我慢したら円満にいきます」「角が立ちません」みたいな。

安田

タバコも吸わない人がマジョリティになったので、後追いで規制を作ったように見える。

年寄りは規制されたくないですもん。

安田

ですよね。ネットでは「もう法律でタバコ禁止にしろ」って声もありますけど。

それはちょっと極論です。あくまで嗜好品ですから。

安田

でも体にも悪いし、医療費もかさむし。だからもう「国が製造しなきゃいいじゃないか」って。

たとえば町中にパチンコ屋ってあるじゃないですか。

安田

はい。

あれってギャンブルなわけですよ。

安田

そうですね。

「カジノ作ったらあかん」とか色々言ってるわりに、そこら中にパチンコ屋がある。

安田

「カジノを作ったらギャンブル中毒になる」って人もいますけど、パチンコで人生壊す人だっていますからね。

こんなにパチンコ屋が一杯ある国なんて、海外では見たことないです。

安田

緩いところは緩いですよね。児童ポルノも「日本は緩すぎ」って言われてますし。

どこの繁華街行っても風俗の店はあるし。

安田

そこら辺はどういう基準で決めてるんでしょうか。

こういう「何か俗的なもの」に対する規制って、あんまり日本では強くないんですよ。

安田

海外の方がずっと厳しそうですね。

たとえばキリスト教の社会であれば「そういうものはいけません」みたいなのが明確ですから。

安田

確かに。厳しい戒律をビシッと守ってるイメージです。

日本は戒律社会じゃないので、かえって動きにくい。

安田

じゃあこの先も、今ぐらいの緩い状態が続くんですか?

いやそこは世界基準みたいなものがあるので。

安田

そうですよね。オリンピックも来るし。世界基準に合わせないとマズイですよ。

いろんな部分でかなり遅れてますから。日本は。

安田

どうやったらスピードアップできるんですか?

やっぱり国民が声を上げること。

安田

でも声を上げにくい文化なんですよね。強引にやるのはどうですか。

たとえば?

安田

タバコを1箱2000円ぐらいにしちゃうとか。

それは難しいでしょう。利権がらみなので。選挙にも影響するし。

安田

選挙に影響しますか?

町のタバコ屋さんも未だに残ってますし。タバコの自動販売機もありますし。

安田

なるほど。そういう人たちが反対すると。

でもだんだん上がっていくと思いますよ。タバコ自体は残したままで金額だけ上がっていく。

安田

税収もすごいですからね。そもそも国家事業ですし。

日本タバコ産業ですから(笑)

安田

国をあげてタバコを売るって、海外からはどう見えるんですか。

こういう嗜好品って、お酒とかも含めて元々国が管理するものなんですよ。やっぱり税収とセットだったんでしょうね。

安田

でも世界の潮流は変わってきてますよ。

そうですね。日本はこういう変化がすごく遅い。

安田

やっぱりルールを作る側の問題じゃないですか。政治家の大半はヘビースモーカーのおじいちゃんたちなので。

そこは大きいです。「免許返納」もそうですけど、やっぱりおじいちゃんって頑固なので。

安田

政治家になる人って、もうちょっと頭が柔軟じゃないといけないと思うんですけど。

政治家に限らずですね。企業の活性化をやってても凄く大きな問題です。

安田

やっぱり、おじいちゃんの頭が硬いんですか?

はい。柔軟度が非常に弱い人達です。しかも本人にその自覚がまったくない。

安田

それがいちばん困りますよね。「俺は運転がうまい」って信じ込んでる。

もう実際に事故らないと分からないんですよ。

安田

迷惑な話ですね。

こうしている間にも、若い人達のモチベーションはどんどん下がってますから。


場活師/泉一也と、境目研究家/安田佳生
変人同士の対談


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第1回:「変わるもの・変わらないもの」
長い間、時間をかけて構築された、感覚や価値観について問い直します。

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新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

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