【大手の作法/039】質問のチカラ

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法: 質問のチカラ

大手メーカー役員:Tさんが
ぽつりと漏らしました。

「最近。
20代だけじゃなく、
30代半ばの世代までも
チャレンジに消極的だと
感じることが増えています。。」

聞くと。

「平均点より、やや下くらいの
評価をあえて目指す社員が
増えている」のだとか。。

「55点人材が多くなったように感じます」
とTさんは寂しそう。。

Tさんの言う
「55点人材」の特徴は、

がむしゃらにトライして
100点を目指すことよりも、
そこそこの力を出して
60点くらいの及第点に届けば御の字、
というスタンス。

仮に結果が55点くらいだったとしても
平均よりやや劣るくらいなので、
ひどく怒られることはない。
「まあ、こんなもんでしょ」
という感覚なのだとか。

なるほど。
「失敗を恐れるが故に、
そもそも全力で挑戦することを
放棄している」のですね。。

確かに、効率的な人生かもしれません笑

たかまりの提供する企業研修の場でも

「失敗することが嫌で
なるべく挑戦することは
控えています」

という声を聞くことが
幾度もあります。

「質問することさえ、控えます」

と話す20代、30代も
少なくなく、驚きを感じます。

「質問をしない」
ということは、

「知っている。理解している。
実践できる!」のではなく、

「知らない。理解できていない。
実践できそうにない」ことを
悟られたくない、のだとか。。

ユニクロの柳井さんが
1勝9敗という
チャレンジ行動に溢れた自伝を
出版されていますが、

質問することさえ控える方々からすると
9勝1敗よりも
0勝0敗の方がリスクがなくて安心、
と考えるのだとか。。

現在。米国メジャーで活躍する
田中将大投手は
7年前の25歳当時、
日本プロ野球にて
シーズン24勝0敗という
とてつもない大記録を成し遂げました。

先日、32歳で現役引退を決断した
サッカー元日本代表
鹿島アントラーズの内田篤人選手は
その引退セレモニーでの挨拶で
「アントラーズというチームは
数多くのタイトルを取ってきた裏で
多くの先輩方が選手生命を削りながら
勝つために日々努力をしてきた」と、
チームの伝統を語りました。

そして、言葉を詰まらせながら

「僕は、その姿を今の後輩に
見せることができない、、
サッカー選手として終わったんだな」
と引退の理由を明かしています。。

グッとくるシーンでした。

Tさんは言いました。
「質問されることは、
とても大事だ、と
いつも管理職に伝えています。

“質問がない”という場に遭遇した時には

相手が理解しているかどうかの
確認をしっかりしろ、
とも伝えています」

そして。

若手世代には、
上司世代に
そのように伝えていることを
共有したうえで、
こう話すのだとか。

「誰かに質問することは、
とても大事。
だけど、それ以上に
自分への質問を大切にしろよ。

できない自分や
やらない自分を想定して
自分に質問するのは
もったいない人生を過ごすだけ。

できるように、やるように
自分自身に質問すれば、
人生を存分に楽しむことができるよ」
と。

質問することを大切にしたいです。

 


高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

安田佳生とおこなう「スイッチミーティング」

「広告費を削減したい」「競争に巻き込まれない商品を手に入れたい」という経営者のみなさま。発想をスイッチして、「新しい商品」と「新しい顧客を」つくってみませんか?

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