原因はいつも後付け 第16回 「仕事が楽にならない訳」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第16回》仕事が楽にならない訳

「今日の売上を伸ばすために100%の力を注ぐ」
これは、初めてお店を開業した時に私が心がけていたこと。

「全力で働くことこそ、成功への近道」
「創業時は休まず働くのが本気の証」

もしかしたら、このコラムを読んでいただいている方の中に、当時の私と同じ考えの方がいらっしゃるかも知れません。

ただこの考え方、ちょっと気をつけた方が良いかも知れません。
だって、このやり方を続けたのに、私の仕事はいつまで経っても楽にならなかったから。


自分でお店を持たれている方で、お店の経営に手を抜く人なんていないと思います。
これは私も同じでした。

売上を上げれば上げるだけ、自分の生活にゆとりができる。
生活にゆとりができれば、仕事も少しは楽になる。

そう信じていたからこそ、休むことなく日々の売上を上げることに100%の力を注ぎ続けてきた訳です。

その結果、何が起きたのか?

結果は何も起きませんでした。
毎日全力で営業に力を注いでいるにも関わらず、仕事はいつまで経っても楽にならない。
そして、そんな変わらない毎日が、ただ過ぎていくだけだったのです。

「なぜこんなに全力で営業しているのに楽にならないのか?」

そんな現実を目の当たりにして、ようやく気づいた過ち。
それが、私は「目先の売上しか追いかけていなかった」という事実。

これは裏を返せば「中・長期の売上安定に向けた取り組みをしていなかった」と言えます。

毎日お店で働いて、出来る限り売上を伸ばす努力をすること。
この大切さは私も分かります。

ただ、今日や今月のお店の売上を伸ばすというのは、あくまで短期の取り組みであり、短期の積み重ねの先に中・長期の成果がある訳ではないのです。

中・長期の事なんて考えたところで、すぐには効果も上がらず、目先の売上も伸びません。
むしろ、考える時間を作った分、目先の売上は落ちてしまう可能性が高くなります。

ただ、目先の売上の取りこぼしを恐れて日々の営業を優先している限り、中・長期の種まきをする時間を作ることはできません。

そして、これは何も店舗経営に限った話ではないような気がするのです。
目の前にある、ちょっと儲かりそうな仕事を追いかけ続けた結果、本来時間をかけて取り組むべき将来への種まきを疎かにしてしまっている人は、意外と多いのではないでしょうか?

「目先の売上をグッとこらえてでも中・長期の種まきに力を注ぐこと。」

言うのは簡単ですが、実際にやるには勇気が要ります。
でも、これをやらない限り、今日と同じ毎日がただ続いていくだけ。

これをやらない限り、仕事はいつまで経っても楽にならないのです。

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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