原因はいつも後付け 第21回 「値段が高い、と思われる不安」

// 本コラム「原因はいつも後付け」の紹介 //
原因と結果の法則などと言いますが、先に原因が分かれば誰も苦労はしません。人生も商売もまずやってみて、結果が出たら振り返って、原因を分析しながら一歩ずつ前進する。それ以外に方法はないのです。28店舗の外食店経営の中で、私自身がどのように過去を分析して現在に至っているのか。過去のエピソードを交えながらお話ししたいと思います。

《第21回》値段が高い、と思われる不安

創業時に、低価格競争を仕掛けた結果、地域の競争に負けてしまった私。
それ以来、「価格競争はしない」と心に決めて、経営をしてきました。

小規模なお店が価格競争で大手に勝てる訳がない。
そんな事は店舗を経営するオーナーだったら、誰だって分かっていること。

ただ、価格競争はしないと決めるのは簡単でも、実際に値上げをしようと考えた時、「ある不安」が頭をよぎってしまう訳です。

それが、お客さんに「あの店は高い」と言う印象を持たれてしまうことへの恐れなのです。


「あのお店は値段が高い。」

現在、私のお店には、こんな口コミが書き込まれることがあります。
これは、創業時の私が一番恐れていたことと言っても過言ではありません。

「値段を上げて、稼ぎを増やしたい」
「でも、値段が高いと思われて、お客さんから嫌われたくない。」

これが当時の私の本音。
そして、この葛藤に苦しむのは私だけじゃないと思います。

周りの同業の価格を見て、似たり寄ったりの価格に決めること。
これも当時の私のお店同様、高いと思われるのが怖いからではないでしょうか?

私のお店に書き込まれる「値段が高い」という口コミ。
ただ、その続きを読んでみると、興味深いことが書いてあるのです。

「高いけど、気に入ってよく使ってる。」
「高いけど、使ってみて納得。」

つまり、「値段が高い」と思われることは、必ずしもマイナス評価ではないと言うこと。

「値段が高い」と言うコメント。
これは、地域の他のお店と比べたら値段が高いのは事実だから仕方がありません。

でも大事なのは、「値段が高いからもう行かない」となるのか、「値段が高くても納得」となるのかの違いであり、値段が高いという事実自体に大きな意味はないということ。

確かに、「値段が高いからもう行かない」と言うお客さんがいるのは事実。
ただ一方では、大手よりも値段を上げなければ、小規模店舗が利益を出し続ける事は難しいという事実もある訳です。

だから、私たち店舗のオーナーが本来やるべきなのは、大手や競合の価格を意識することではなく、自分のお店の「価格の根拠」をお客さんに理解してもらう事に力を注ぐことなのではないでしょうか?

価格競争をしない、と決めて経営をしてきて感じること。
それは、価格の根拠が伝われば、共感してお店を好きになってくれるお客さんは必ず来てくれると言うこと。

「あのお店は値段が高い。」と言うコメント。

この言葉に不安を感じて競合を意識している限り、お店の稼ぎが増えることはなく、逆に言えば、値段が高い根拠を明確にし、競合との違いを理解してもらうことでしか、お店の稼ぎを増やすことはできないと思うのです。

 

著者/辻本 誠(つじもと まこと)

<経歴>
1975年生まれ、東京在住。2002年、26歳で営業マンを辞め、飲食未経験ながらバーを開業。以来、現在に至るまで合計28店舗の出店、経営を行う。現在は、これまで自身が経営してきた経験をもとに、これから飲食店を開業したい方へ向けた開業支援、開業後の集客支援を行っている。自身が経験してきた数多くの失敗についての原因と結果を振り返り、その経験と思考を使って店舗の集客方法を考えることが得意。

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