ルールに隠された意図を読め!
第23回「ZOZOは勝つのか負けるのか」

この記事について
税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第23回「ZOZOは勝つのか負けるのか」


安田

ご存じだと思いますが、ZOZOの株価がガーッと下がりまして。

久野

はい。ニュースで見ました。

安田

「ZOZOSUIT」が失敗だったのと、剛力彩芽さんを彼女にしたことでも世間を敵に回しまして。

久野

有名人は大変ですよね(笑)

安田

で、持ってる絵を売りに出したんですけど。

久野

「会社の資金繰りに困ってるんじゃないか」とか言われてますよね。

安田

はい。でも前澤さんは「お年玉企画をまたやるため」と言ってます。

久野

そうじゃないですか。資金繰りに困ってるようには見えないですもん。

安田

確かに、当初予定より下がったとは言え、何百億という黒字ですし、資金繰りに困るはずないですよね。

久野

はい。あれは世間のやっかみですよ。

安田

「どんどんスポンサー離れていって大変だ」って言う人もいますけど、「結局プラットフォームが勝つだろう」みたいに言う人もいて。どっちだと思います?

久野

私はプラットフォームが勝つと思ってます。

安田

いろんな有名アパレル企業も、離れていきましたけど。

久野

あれは、かなり経営判断をミスってる可能性がありますよね。

安田

離れていった会社の経営判断ミスだと。

久野

「トイザらス」もAmazonから出ていって、経営破綻してるじゃないですか。

安田

そうなんですか?

久野

はい。

安田

値引きサービスの「ZOZOARIGATO」ってあったじゃないですか。

久野

ありましたね。問題になったやつ。

安田

私も会員だったんですけど、途中で「お金返すからストップ」となっちゃいまして。

久野

はい。やめちゃいましたね。

安田

あれは「会員が離れていったから、やめざるをえなくなった」って言われてますけど。

久野

それも多少はあるんじゃないですか。

安田

でもプラットフォームが本当に強いんだったら、「黙れ!」みたいな感じで強引にやってもいいと思うんですけど。

久野

いくら強くても全部抜けたら、さすがに商売が成り立たない。プラットフォーマーじゃなくなっちゃうので。

安田

そりゃそうですね。

久野

ぎりぎりのラインは保ちつつ、という判断で回避したんじゃないかと思います。

安田

じつは「踏み絵」だったんじゃないかとも言われてまして。

久野

踏み絵ですか?

安田

「いずれ出て行くやつは、もう今出ていけ」みたいな。

久野

いや、それはないでしょう。さすがに。

安田

次はビームスやリーバイスと組んで、何百サイズもある商品をつくるみたいですよ。そういう意味ではZOZOSUITも失敗とは言えない。

久野

私には着実に前に進んでいるように見えます。そもそも、ひとつのブランドしか着ないっていうのは、今の若い人の感覚ではない。

安田

ですよね。たくさんのブランドがあるZOZOは、やっぱり魅力ですよ。

久野

反対に言うと、1社ぐらい抜けたところで大した問題ではない。

安田

ですよね。

久野

結局、サイズデータをどれだけ収集できるかが、このビジネスの根幹。そう考えるとやっぱり最後はZOZOが勝つ。

安田

じゃあZOZOSUITは、売上は思ったほどいかなかったけど、失敗とは言えないと。

久野

言えないんじゃないですかね。Amazonも最初はずっと赤字で、散々叩かれたじゃないですか。

安田

そうでしたね。それが今やAmazonに嫌われたら小売やっていけないぐらいになってる。

久野

ネットでの注文のしやすさって、服や靴の場合はやっぱりサイズですよ。

安田

Amazonとか楽天とかでも服は売ってますけど。アパレルに関しては「圧倒的にZOZOが使いやすい」ってみんな言います。

久野

私も百貨店にいたのでよく分かりますけど、メーカーごとに「M」っていってもサイズ感ぜんぜん違うんですよ。

安田

ですよね。ホントぜんぜん違う。

久野

合うか合わないかは、昔は店員がその人の体つきとかを見てやってたんです。

安田

「このブランドはあなただったらLです」みたいな。

久野

それをデータで出来ちゃう。「こういう筋肉質の人は向かない」とか。

安田

そうなって来てますよね。

久野

はい。ZOZOはAmazonや楽天とは異質のプラットフォームなんですよ。

安田

どこが異質なんですか?

久野

サイズの細かいところまで把握してる。そんなとこ他にないじゃないですか。

安田

メーカーごとにサイズを、ひとつひとつ測ってるらしいですよ。

久野

そうです。そういう細かいことを全部やってる。

安田

4つ5つのブランドを買って、いっぺんに送料を払えるっても、かなり優位性高いような気がするんですけど。

久野

いやぁ、高いですよ。

安田

それぞれのブランドが独立してサイトをつくると、買う方は結構大変ですもん。

久野

消費者から見たら、絶対にプラットフォームで買う方がいいんですよ。

安田

じゃあ自社のECサイトをつくるという流れは、失敗しますか。

久野

言いにくいですけど、やっぱり失敗じゃないですかね。

安田

独自のECサイトはつくらない方がいい?

久野

いや、つくってもいいんですけど、巨大なプラットフォームからこのタイミングで抜けるのは間違ってると思います。

安田

抜けちゃった有名アパレルって、他社よりもいい条件で取引してたみたいです。

久野

そう。かなり破格の条件だったみたいです。

安田

なんで抜けたんですか?「値引きは看過できない」って言ってましたけど。本当は月に行ったり、剛力彩芽と付き合ったのが腹立たしかったんでしょうか?

久野

ブランドが毀損すると思ったんでしょうね。月とか彼女は関係なと思いますよ(笑)

安田

でも「前澤さんが出すぎて株価が下がった」とか「みんなに嫌われて売上が毀損した」とかメディアでは言われてますけど。

久野

そういう意見もありますけど、私はどう考えてもメリットの方が大きいと思います。

安田

ですよね。テレビCMをガンガンやってた費用とか考えたら、多少社長が嫌われてもすごく知名度が上がったので。

久野

ツイッターのフォロワーも、いま1番ぐらいまでいったんですよね、あれで。

安田

一時期600万人まで行きました。

久野

もう自分のメディアを持ってるみたいなもんですよ。

安田

しかも広告費のいらないメディアですからね。どうして新聞やテレビは失敗であるかのように叩くんでしょうか。不思議でしょうがないんですけど。

久野

やっぱり「人の不幸は蜜の味」だから。

安田

叩いたほうが視聴率上がるってことですか?

久野

上がるからじゃないですかね。

安田

そこまでしますか?

久野

だって RIZAPがうまくいってないこととかも、すごく楽しそうに書くじゃないですか。ああいうのが好きなんですよマスメディアって。

安田

じゃあ、久野さんの予想としては、「ZOZOは独り勝ちするんじゃないか」っていうことですか?

久野

私はそう思いますね。いろんな人を敵に回しそうですけど。

安田

「日本の大手アパレルは太刀打ちできない」と。

久野

チャンスは何回もあったのに、そこを生かせず今まで来てしまってるので。今さらZOZOに謀反を起こしてもちょっと厳しい。


久野勝也
(くの まさや)
社会保険労務士法人とうかい 代表
人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。
事務所HP https://www.tokai-sr.jp/

 

安田佳生
(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

 

中小企業が抱える
三重苦(採れない、辞める、生産性が低い)を、
三重丸(採れる、辞めない、生産性が高い)へ。
6つのステップで支えます。

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