小さなブルーオーシャンに出会う旅 第1回「こんなにも行列ができるものなのか?」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第1回「こんなにも行列ができるものなのか?」


一番手軽で簡単にできる手料理、それは「おにぎり」ではないだろうか?
いや、今や自ら、わざわざお米を炊いて、具材を選定し、握らなくても、コンビニに行けば、あっという間に購入できますね。しかも、さまざま種類が、百数十円そこそこで手に入れられるのです。(各コンビニでも、おにぎりは売れ筋の商品の一つなので商品開発に力を入れているとか、いないとか…)

「おにぎり」だけで行列の絶えないお店がある!

さて、そんな百数十円で、手軽に買えるおにぎりを、わざわざ並んでまで、しかも30分以上も並んでまで買おうと思いますか?大多数の人は、そんなことをしてまで「おにぎり」を食べようとは思わないでしょう。ところが世の中にあるんですね。

JR山手線「大塚駅」。
新宿、渋谷と並ぶ山の手3大副都心の一つ「池袋」と、おばあちゃんの原宿と言われる「巣鴨」に挟まれた駅で、特にこれといったスポットはありません。この大塚駅に、行列の絶えないお店があります。それがおにぎり専門店の「ぼんご」さん。

開店時間の11:30前から並び始め24:00の閉店まで行列が絶えません。雨の日であろうと、お店が休みでなければ、必ず誰かしら並んでいるのです。
1日で1,000個以上のおにぎりが売れるというのですから驚きです。
もう一つ言えば、決して安くはありません。価格は260円から。
にも関わらず、並んでまで「食べたい」と思われるのはなぜなのでしょうか?

なぜ、おにぎりにこんなに行列ができるのだろうか?

この「ぼんご」さんですが、さまざまなメディアにも取り上げられているようで、結構、有名らしいのです。でも、それだけで毎日のように行列ができるでしょうか?
メディアの影響で、行列ができることは多々あります。しかし、それは一見客が増えたということであって、徐々に落ち着き、元に戻って行くでしょう。
しかし、「ぼんご」さんはメディアの影響に関わらず行列ができているわけですから、リピート客が多いこと、ファン層を作り出していることが要因なのではないでしょうか?

 

小さなブルーオーシャンを作り出しているのでは?

この「ぼんご」さんを調べていくと、こだわりが凄いですね。
しかし、そのこだわりが、小さなブルーオーシャンとなって、お客さまの支持を得ているのではないかと推測できます。
まずは、おにぎりに限定しているということ。
おにぎりに入れる具材の種類は豊富です(なんと55種類!)。
しかし、これはあくまでも「おにぎり」のメニューであり、おにぎりという軸からは離れてはいません。
更に、使うお米は店主こだわりの「新潟産コシヒカリ」のみ。メニュー(具材)に合わせてお米を変えるのではなく、お米に合わせて具材を研究しているのだとか。ちなみに、この具材。すべて手作りだそうで、ここにも「ぼんご」さんのこだわりが見えますよね。
もう一つ言うと、価格を260円、310円、560円の3つに絞っています。
この他にもこだわりはたくさんあるようです。
おにぎりなのに握らない、握る人(握り手さん)は限定されている、など…
とにかく、小さく、小さく、限定していくことによって、先を尖らせているように思います。

 


佐藤洋介(さとう ようすけ)
株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

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