泉一也の『日本人の取扱説明書』第13回「ことだまの国」

泉一也の『日本人の取扱説明書』第13回「ことだまの国」
著者:泉一也

このコラムについて

日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。

 

日本語は感覚の言葉である。よって身近でベタな印象がある。西洋の言葉はシンボル的であるので、デザインやネーミングに使われやすい。クールジャパンとネーミングされた言葉がそれを表している。

日本語は、子供にとってすごく使いやすい。なぜなら、感覚の言葉であるオノマトペ=擬音語・擬態語が豊富(2000語以上)で、それも簡易なカタカナひらがな表記であり、日常にたくさん使われているからである。例えば、「笑い」を表すのも、ニコニコ、ニッコニコ、ニマニマ、ニヤニヤ、ニタニタとあり、「泣き」を表すのもメソメソ、シクシク、オイオイ、ワーワーと多様性に富んでいる。

さらに日本語の音素(発音した時の音の種類)は少ないので、発音がしやすい。ちなみに英語の音素は44種、日本語の音素は24種と20も少ないのだ。もっというと主語(人称や男性名詞・女性名詞など)による動詞の活用がなく、主語を省略しても相手は読み取ってくれる。外国人の多くは日本語を話すのは簡単だけど、読み書きは難しいというが、まさに「オノマトペが豊富」・「音素が少ない」・「主語活用がない(主語がない)」という3つの特徴から、日本語は話し言葉に最適だとわかる。世界共通の日常会話に適しているのは日本語といっていいだろう。

一方、英語をはじめとした欧米の言葉はビジネスやアカデミックな会話、ディスカッションに適している。文法はしっかりとしたルールに基づき、主語や目的語を明確にしているからだ。ロジカルな思考にはもってこいである。よって日本企業で英語を標準にしようとする動きがあるのは当然であるし、日本人は英会話が苦手なのも当然のことである。普段から簡単で便利な言葉を使っているから、わざわざ難しくて不便な言葉は日常に使わないのだ。

敬語が難しいのでは?という人もいるが、これは間違いである。敬語は頭に「お」をつけて、語尾に「です」「ます」「ございます」「なさる」「様」をプラスするぐらいで十分である。それだけで、相手への敬意を表しながら、自分に品格を得ることができるという何とも便利な言葉である。日本で敬語が発展したのは、狭い土地で定住民族となり、逃れられない年齢や身分での上下関係で敬意を表し合った方が安定した社会につながったからだろう。ちなみに今は、転職・海外赴任・移住など日本人はすでに定住民族ではなくなったから、敬語に縛られていると昨今の監督や理事長パワハラ問題のように、アホみたいなことが起こる。

ブルー・オーシャン戦略は、未知の新大陸を探しだす作業ではありません。
新たなブルー・オーシャンは今いるレッド・オーシャンの中に無数に存在するのです。

感想・著者への質問はこちらから