泉一也の『日本人の取扱説明書』第30回「小粒の国」

泉一也の『日本人の取扱説明書』第30回「小粒の国」
著者:泉一也

このコラムについて

日本でビジネスを行う。それは「日本人相手に物やサービスを売る」という事。日本人を知らずして、この国でのビジネスは成功しません。知ってそうで、みんな知らない、日本人のこと。歴史を読み解き、科学を駆使し、日本人とは何か?を私、泉一也が解き明かします。

日本人は小粒である。小粒であるが、ピリリとくる。小さい中にエッセンスが凝縮している。欧米は大柄でインパクトのある「俺んじゃ!」のオレンジ、日本は小粒で控えめな未完のみかん。キン肉マンでいうと欧米が完璧超人のネプチューンマンであり、日本がダメ超人のキン肉マン(この喩えがわかれば、あなたは場活人)。

その小粒の良さを伸ばせばイキイキするが、大柄インパクトを目指すと無理がくる。ドラゴンボールでいうと、修行して筋肉ムキムキになったトランクスは意外と弱く、素の状態でスーパーサイヤ人になった悟飯は強かった。(この喩えもわかれば、あなたは場活師)。

小粒の良さとは何か。それは3つある。小ささと柔らかさと芯である。「小ささ」は謙虚な態度を表し、「柔らさ」とはみかんの皮のような剥けやすさであり、そして「芯」とはブレない軸があること。この3つを磨けば日本人は自ずと良さが引き立つ。大柄インパクトなどを目指していると、小ささは劣等感となり、柔らかさは優柔不断になり、芯は頑固さになる。もともと持っている良さを忘れて、大柄インパクトに価値をみているとこういう「変質」が起こるのだ。素材の特性や良さを知らずに、調理するようなものである。

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