GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜
著者:小出 紘道
先週までは、brand watchというサイトで見つけた「外食産業のトレンド」について紹介しました。今週からは、Smart Insightsというマーケティング系webサイトの記事を引っ張ります。
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What’s new? What’s next? 6 essential marketing trends for 2020
2020年版:6つの重要なマーケティングトレンド〜次に何が来るのか?〜
https://www.smartinsights.com/managing-digital-marketing/marketing-innovation/6-essential-marketing-trends-for-2020/
Trend 2. Conversational marketing
Trend 3. Insights-driven marketing
Trend 4. Marketing technology
Trend 5. Consumer Privacy and KYC
Trend 6. Digital transformation and Marketing Transformation
まずは、「Trend 1. Lifecycle marketing」を見ていきます。
Trend 1. Lifecycle marketing(ライフサイクル マーケティング)
Although it’s often said that the ‘funnel is dead’ since consumer follows non-linear journeys, regardless of the product or service you’re involved with marketing, it will always be the case that to grow a business, your primary focus is growing awareness, closely followed by increasing customer leads and prospects.
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消費行動が一般的にわかりやすいジャーニーを経なくなって来ているから、「funnel(ファネル)は死んだ」と言われるけど、製品にせよサービスにせよ、マーケティング担当者の最優先目標は「growing awareness(認知の拡大)」次いで、「increasing customer leads and prospects(潜在顧客の増大)」である。
そもそも上記本文は、下のグラフの読み取りとなってますね。
あなたの会社のデジタルマーケティングの最優先目標は何ですか?
1位 <37%> growing awareness:「認知の拡大」
2位 <26%> increasing customer leads and prospects:「潜在顧客の拡大」
3位 <20%> To deliver a high quality, unified customer experience across all digital channels:デジタルチャネル上での、高品質で統合
的な「顧客体験の提供」
4位 <13%> Increase awareness and positive sentiment around new products:新製品に対する「認知と好意の拡大」
5位 <5%> Increase business/revenue with existing customers:既存顧客からの「売り上げ・利益の拡大」
デジタルマーケティングによって、売り上げ拡大や利益拡大を図ることを最優先としている組織よりも、とにかく「認知の拡大」と「潜在顧客の拡大」に集中・特化している組織の方が多いようです。
ちょっと難しいですけども「いつか役にたつかもしれない英単語」として、 leadsとprospectsを取り上げたいと思います。
「2位 <26%> increasing customer leads and prospects」に出てくる単語です。
共に「潜在顧客のこと」を指しますが、これを明確に使い分けができると、きっと一目置かれます。
Leads:リーチはできるが双方向でのやり取りはできない「潜在顧客」→ 1 way communication
Prospects:双方向でのやり取りが可能な「潜在顧客」 → 2 way communication
まだ見ぬ消費者を顧客化するまでのフローとしては、、、
消費者全体→ターゲット顧客→潜在顧客(Leads)→潜在顧客(Prospects)→顧客
という流れです。
この「流れ」で「歩留まりモデル」を作るとマーケティングのモデルとしては「一つの正解」となります。
ちなみに、とあるマーケティング系のメディアに
「リードを惹きつけ、ナーチャリングし、カスタマーへとコンバートすることが重要だ」
という表現がありました(笑)
ナニソレ?って感じですよね。
でもこういう表現で話す人、本当に増えてきているので、さらっと対応したいものです。
一応翻訳すると
「潜在顧客にきちんと自社商品の魅力を伝えて、将来の顧客にすべく育成して、最終的に購入が伴う本当の顧客へと移行していくことが重要だ」という意味です。そりゃそうだね、ということでしかありませんので、難しく表現されても怯まないようにしましょうw
なお「ナーチャリング= nurturing = 育成」です。
一つレベルを上げて「その潜在顧客は、リードではなくて、プロスペクトでですかね?」と切り返すと主導権はこちらに、の典型パターンですね。
原文からもう一文紹介しておくと、、、
it’s shocking that digital marketing isn’t seen as a driver of boosting revenue from existing customers.
デジタルマーケティングがもはや「既存顧客からの収益強化」のツールとはみなされていない、という事実はショッキングだ
とのことです。確かに、そういう時代は終わった感ありますね。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ
代表取締役社長
http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン
取締役会長
http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン
取締役
http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた)
・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった)
・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった)
・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった)
・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)