日曜日には、ネーミングを掘る ♯97 虹の橋を渡る犬

今週は!

去年の9月、このブログで、新しいかたちのペット葬についてのネーミングを考案中ということを書きました。https://brand-farmers.jp/blog/holuday077/

仕事を依頼してくださったお客さまは、岐阜県美濃加茂市に本社を置く株式会社のうひ葬祭さん。ミーティングを重ねた結果、対象を愛犬家に絞ろうということになり、コンセプトが「犬ばか社員が考えた、愛犬との別れのかたち」に決定。この考えに沿ってネーミングも誕生しまた。こちらです。
サービスを紹介するウェブサイトも完成間近ということで、今回は、このネーミングが降りてきたときのことを書いてみることにします。

みなさんは、虹の橋をご存知でしょうか。ペットを飼っている方なら、どこかで耳にしたことがあるかもしれませんね。

虹の橋とは、家族同然に過ごした動物を亡くして悲しみに沈む飼い主を、ペットロスから解放する手助けになっている架空の物語に登場する橋。物語(散文詩)は、1980年から1992年の間につくられたといわれていますが、正確な時期はわかっておらず、作者も不明です。詩の内容を、Wikipediaでは次のように書いています。

この世を去ったペットたちは、天国の手前の緑の草原に行く。食べ物も水も用意された暖かい場所で、老いや病気から回復した元気な体で仲間と楽しく遊び回る。しかしたった一つ気がかりなのが、残してきた大好きな飼い主のことである。一匹のペットの目に、草原に向かってくる人影が映る。懐かしいその姿を認めるなり、そのペットは喜びにうち震え、仲間から離れて全力で駆けていきその人に飛びついて顔中にキスをする。(死んでしまった)飼い主は、こうしてペットと再会し、一緒に虹の橋を渡っていく。

ネーミングを開発中にこの話に出会った私は、上の風景のなかに、一匹の犬と飼い主を置いてみることにしました。遠くに見えたのは、久しぶりに飼い主と出会えた嬉しさで、激しく尻尾を振りながら、虹の橋を渡っていく犬の姿でした。

その姿を目にしたとき降りてきたのが『いぬのおしり』です。「尊いペットの死に、なんて不謹慎な」というネガティブな反応は、まったく頭に浮かびませんでしたね。愛犬家であればあるほど気に入ってもらえるはず、と思いました。ネーミングについて何人かの愛犬家の友人に尋ねたところ、全員(二人ですけど)から「そうそう。犬のお尻って可愛らしいんですよね~。うちの子との触れ合いのなかで、お尻をナデナデするのが一番好き」という感想をいただきました。きっと受け入れてもらえるように思います。

ちなみに、私は猫派です。

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