このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法: 桃太郎の採用戦略
体重計などの計測器メーカー大手のタニタさん。管理栄養士が考案した社員食堂レシピを紹介している会社としても知られていますが、過去に一度だけ、Twitter採用を実施したことがあります。
2018年に自社サイトや従来の求人チャンネルには一切情報を載せずに、Twitterでの1回のつぶやきのみで中途採用募集をしたのです。
最近では珍しいものではありませんが、当時はタニタさんのような有名企業がTwitterのみで、しかも1回のつぶやきだけで採用活動を実施するなんてことは想像もつかず、チャレンジングで大胆な取組みは話題となったのでした。
最近では「岩下の新生姜」とコラボした歩数計をプロデュースし、不思議な組み合わせが、またもや話題となり、プチヒットを創り出しているのです。
実は。この商品こそが、Twitter採用で入社した方の最初の企画商品だったとのことで「初めは、まったく理解できなかったが、、」という上司の言葉と共に「柔軟な発想を活かす風通しの良い社風」がwebを中心に広まっているのです。
と、こんな話題を某大手の人事K課長より共有いただきました。
採用に苦戦しているというKさんは、ユニークな取組みをしている企業をウォッチしているのだとか。
そんなKさんが苦い顔で、
「面接は“落とせばリスクがない”と思っている社員ばかりで困っています。。」
「採用って成果が見えづらいじゃないですか。入社してくれた人が活躍するかなんて誰にもわからないですし。。」
「自分が面接で通した人が成果を上げられなかったりすると“マイナス評価につながる”なんて思っている人が多くて、、」
「しかも、大体の場合。若手が初めに面接して、だんだんと役職上位者に進むじゃないですか。だから、上の人間も落としやすいんですよ。。」
「本来、自社をアピールして、相手の魅力や可能性を引き出す場なのに、、」
古くお堅い社風が伝わってきて、たしかに大変そうです。
続けてKさん。
「この前なんて、人事経験が長かった顧問に呼び止められて『Kくん、リファラルって知っているか? ウチの会社や社員に縁を感じているヤツに声をかければいいんだよ。俺はよく声かけてたぞ!』なんて言われたんですよ」
しかも、その顧問さん。
「簡単だろ?桃太郎なんてキビ団子一つで
イヌ、サル、キジを手下にしたんだぞ。まあしっかりやれよ。ガハハ」と笑って去っていったのだか。。
昔話や武勇伝は出しどころが大切ですね。。