コミュ障経営者のギモン その46「偏屈な人の取説」

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なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。

偏屈な人の取説

皆さんの周囲に、偏屈な人っていません?

「偏屈」って、「性格が素直でなくて、ひねくれている」とう意味だそうですね。
「偏る」と「屈する/屈む」ってことからも、相当ねじれている感じはしますよね・・・

こういう人って、いつから偏屈になったんでしょうかね。

「偏る」のイメージは少しずつ特定の方向に流れている感じですよね。
例えば、育った環境などで培われているようなものがあるでしょう。
そして、その偏りがあまりに激しいと特定の社会では生きづらくなるのかもしれませんね。

「偏屈」ってことは、さらにここに「屈する/屈む」というのが加わるわけです。
「折れ曲がる」ってイメージですよね。
「偏り」のように徐々に湾曲していくのとは違って。
ということは、「偏屈」が厄介なのは、この「折れ曲がり」なのかもしれませんよね。
何か強烈な出来事があって、価値観がガラッと変わってしまった・・・とか。

でも、よく考えてみたら、こうしたことって大なり小なり誰でもありますよね。
だから、皆、偏屈になる可能性を秘めているんですよ。
じゃあ、なんで偏屈な人ばっかりの世の中にならないのか?

きっと、ある水準の偏屈レベルを超えると、不都合の方が多くなってくるんじゃないでしょうか。
分かりやすく言えば、「人に嫌われる」って話なんですが。
そうなると学生生活でも、仕事でも支障をきたすと思うんです。
1人で自給自足の生活をおくっているのならまだしも。
だから、ある日、「あれ、ちょっとこのままではマズいかも」って、偏屈レベルを自覚し始める。

ですからこういう環境の中で、一定の水準を超える偏屈レベルを貫くことができる人というのは、周りが許容している(許容せざるを得ない)からなんだと思うんです。
周りが合わせている、我慢しているってことですね。
だから、当人は「自分が偏屈レベル上級」だとは気づいていない可能性があります。

例えば・・・

中小企業経営者(特に創業者)って個性的な人が多いんです。
それが故に勤め先でうまくいかなくて、自分で商売を始めたって人も少なくないんですよね。
個性的というか、世に言う偏屈な方が社長になるケースって実は少なくありません。
そういう社長の社員さんたちは「偏屈な人だなぁ・・・」と思いつつも、社長だから従わざるを得ないということは出てくるかもしれません。
こういうケースの場合、社長は偏屈レベルを下げる必要はないんです。

・・・極端な例ですが、このようにして、世の中には高レベルの偏屈な人が存在している訳です。

偏屈であることに気づかず、自分を貫いて気持ちよく生きることができる・・・
幸せな人生ですね。
性格が素直でなくて、ひねくれていても良いんですから。
(まぁ、当の本人はそのことに気づいてませんけども・・・)

お会いしたことありませんし、よく知らないんですが、ビル・ゲイツとかスティーブ・ジョブズとかイーロン・マスクなんかは、世界最高レベルの偏屈な人たちなのかもしれませんよね。
これもある水準を遥かに超えるレベルになると、それが魅力に変わるのかもしれません。
もちろんその人にしか出せないような圧倒的成果も必要ですが。
だから、「よーし、俺も!」と、毎日同じ服を着るという行動だけを真似ても駄目ってことですよ。
もっと偏屈が許される理由にフォーカスしないと。
そして、偏屈が許容されるほどの存在にならないと!
じゃないと、「そういうことを面倒くさがるからお前は駄目なんだ」「真似するのはそういうとこじゃないだろ」とか言われちゃいますよ。

まぁ、実際のところ、偏屈な人を許容する側になると結構たいへんですけどね・・・
偏屈のタイプにもよりますが、共通しているのは「別に悪気があってそうしているわけじゃない」ってことなんです。
だから「なにこの人!?」って不快に思うようなことはしょっちゅうですよ(苦笑)
「これを自然にできるってある種の才能だよな」とかって興味関心を持つことをおすすめします。
すると、可愛く見えてくる可能性も多少あります。
あとは、そういう不快感を感じさせる部分は無視して、付き合うといいんじゃないかなって思っています。
・・・まぁ、無理して付き合う必要もないんですけども。

こんなどうでも良い話を1,800文字近くかけて年末に書いてる時点で、僕も偏屈カテゴリーに入れられてしまうのかもしれません。
やだね、偏屈な人って。

 

著者/市川 厚(いちかわ あつし)

株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/

LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/

<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。

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