「医療にSDGsを取り入れてみる」〜お医者さんは、なやんでる。 第49回 〜

第49回 「医療にSDGsを取り入れてみる」

お医者さん
お医者さん
日本は高齢化社会だ、と言われて久しいが、最近はそれが実感される。うちの患者さんたちも皆お年寄りになってきた。寿命を迎えて亡くなっていく方も少なくない。
お医者さん
お医者さん
うーん、このままではどう考えてもジリ貧だ。どうにか患者さんを増やせないだろうか。それも、できれば若い患者さんを……
確かに患者さんの高齢化は業界の課題ですよね。もっとも、若手よりお年寄りのほうが病院に来る機会が多い、というのは当然でもありますけど。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そりゃ、年を取ればそれだけ体にガタが来るものだからね。ただ、だからといって今の状況を指を加えてみているわけにもいかないし。……って、君は誰だ?
初めまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ドクターアバター…。ああ、先日友人の医師が話していたな。普通の医療コンサルとは違う、ユニークかつ大胆な提案をしてくれる人がいるんだって。
ありがとうございます。今日は先生のお役にも立ちたいと思って伺った次第で。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それはちょうどよかった。どうやったら若い患者を集められるかを教えてくれ。
そうですね、基本的な考え方としては、「若い患者さんが来たくなるような病院」を実現していくということだと思いますね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
まあ、それはそうだろうが、若い人が「来たくなる」ような病院なんて作れるんだろうか。
よくあるのは、特定の病気や症状に特化していくという方法ですね。若い人がよくかかる病気を重点的にカバーすることで、患者さんの年齢層も徐々に変わってくると思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いや、うちはそもそも普通の内科で、何かの病気に特化できるほどの技術もないよ。
なるほど、であれば、「共感」に軸を置いたブランディングをするといいかもしれません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
共感?
そうです。若者の共感を得るような活動をするのです。たとえば今の若い人は、昔よりもずっと「社会貢献」に興味を持っています。最近よく言われる「SDGs」などに対する関心も高い。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
ああ、「持続可能な開発目標」ってやつだね。でもそれがどうしたの?
先生の病院で「SDGs」に関する活動を積極的に行うようになれば、それを見た若者が「自分が何かあったときはあの病院に行こう」と思うかもしれません。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
う〜ん、そういうこともあるかもしれないが、ちょっと遠回りな気もするな。もう少し短期的に効果が出そうなことはない?
そうですね、たとえば病院内に、「飢餓ゼロ」を目的にした無料食堂を併設してみるのはいかがでしょう。病院の患者さんが食堂を利用することもあれば、食堂の利用者が患者さんになることもあるでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど、そんなこと考えてもみなかった。インパクトもあるし、効果が出そうだね。
ええ、他にもボランティア活動を主催するとか、お悩み相談室を作るとか、社会貢献に関するセミナーを開催するとか、やり方は無限にあります。
絹川
絹川
もともと日本は昔からSDGs的なことはやっていたんですよね。地域と密着して学校医や性教育セミナーを行っているお医者さんもいますし。それを自分の病院内で行うようなイメージですよ。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ、確かにアイデアはいろいろ出せそうだ。
そうなんです。「SDGs」というのも例の1つに過ぎません。先生は医師であると同時に経営者なわけですから、どんな事業を行おうがどんな集客を行おうが、基本的には自由です。医療とはまったく違うビジネスを立ち上げて、その事業と自身の病院でシナジー効果を作ったっていい。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うーむ、なるほど、経営者か。確かにそうだ。なんだか視野が広がった気がするよ。ありがとう。
私はお医者さんがどんどん独自のビジネスを始めたらいいと思っています。ぜひ先生も挑戦してみてください!
絹川
絹川

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医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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