このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 下は丸見え、上は真っ黒
某大手さんにて、秘書課の方々との打合せに参加しました。
ベテラン秘書が経験の浅い若手秘書に「上司のスケジュール管理」について、いくつかのポイントを紹介していました。
・新しい予定を入れる時には、前後も確認する
・予定の優先順位を確認する
・普段からコミュニケーションを図り、良好な関係性をつくる
・自分の予定をオープンに共有する
などが挙がっていましたが、
それでも起こるのが、「ヒューマンエラー」というもの。どんなに細心の注意を払っていても、「うっかりミス」はゼロにはなりません。
対策として、「ミスが起きにくい環境をつくること」、「ミスの発生を素早く検知すること」の二つについても紹介されていました。
・わからないことはよく確認する
・おかしいと思ったら、すぐに報告する
・デスク、PCトップ画面を常に整理整頓しておく
・適度に休憩し、リフレッシュする
・上司と共有されたマニュアルやチェックシートを作成する
・複数者でチェックする
・重大事故につながりそうだった「ヒヤリハット事例集」を熟読する
などなど。
若手秘書たちをうかがうと、時に笑顔を交え、時に真剣な眼差しでハキハキと反応しているのですが、
新人Tさんが、
「紹介いただいたこと、どれもが大切なことだと理解できました。ありがとうございます」
との枕詞を添え、
「私たち秘書のスケジュールをオープンにするだけでなく、全役員もスケジュールを“見える化”すれば、もっと円滑に仕事が進められると思います!」
「全社員の予定が公開されていれば、『複数者でのチェックや、優先順位の確認、素早い検知』が、より精度の高いものになりませんか!」
と元気に発したのです。
ベテランたちは、というと、、
「ウチのボスには表に出せない案件などもあるので、、」
と、切れの悪いご返答。。
打合せ終了後に、人事部門の方から、
「ウチの管理職以上は、部下には『情報をオープンにしろ』と言いつつ、自分の予定は非公開設定という方がほとんどで、『下は丸見え、上は真っ黒』ですよ。。」と聞かされましたが、肩越しの壁には、「情報の透明化を進めよう!見える化促進運動!」と書かれたポスターが貼られていたことに気づいた高松でした。。