第96回 「ネットで書かれた悪い口コミを消す方法」
お医者さん
「ネットに悪い評価が書かれてるよ」って患者さんが言っていたが、これのことか…。
お医者さん
「待ち時間が長い上に医者の態度も悪い」。……くそ、一体誰がこんなこと書いたんだ。
ネットの口コミですね。ここに悪いコメントがつくと意外とダメージが大きいんですよね。
絹川
お医者さん
いや、そもそもうちはネット上に情報なんて出したつもりはないんだ。なのにいつの間にかこんなことに。……って、あなた一体どなたです?
はじめまして、ドクターアバターの絹川と申します。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
お医者さん
ドクターアバター? 聞いたことのない名前だな。でもちょうどいい、あなたネットにも詳しそうだし、このコメントを消す方法を教えてよ。
そうですね、削除申請をすることはできますが、Googleは削除の条件を明らかにしていません。時間をかけて申請しても、確実に削除できるかはわからないんです。
絹川
お医者さん
え、そうなの? でもなんか知り合いの医者がそういう営業を受けたって言っていたよ。悪い口コミ消します、って。
確かにそういう業者は存在しますが、正直に申しまして、かなり怪しいです。「最近悪口コメントが多いな」と感じていた矢先、いいタイミングで「コメント消しましょうか?」と電話がかかってくる。
絹川
お医者さん
ああ、うん、そんな感じだったと言っていた。でも、なんで怪しいの。実際に消してくれるならそれでいいじゃない。
いや先生、先ほどお伝えしたように、確実に削除できる方法は現時点ではありません。それなのにその業者がコメントを毎回消せているのだとすると……
絹川
お医者さん
何かすごい技術を使っているんだろうな。特別な技術を。
そうではありません。自由に削除できるということは、コメントを書いた本人だからですよ。
絹川
お医者さん
え!? そういうカラクリなの?
その可能性もある、ということです。電話がかかってくるタイミングが完璧なのも、それで説明が付きますし。
絹川
お医者さん
うーむ……でも、じゃあどうしたらいいんだ。
そうですね、私の意見としては、「悪い評価は真摯に受け止め、その上でいい評価が増えるようにしよう」ということですかね。
絹川
お医者さん
真摯に受け止める? どこの誰が書いたかわからないクレームを?
完全なデマに関しては削除申請などをしてもいいかと思いますが、何かしら心当たりのある内容なら、そうした方がいいと思います。対面でクレームを言われたのと同じと考え、対策を打っていく。
絹川
お医者さん
……まあ、そう言われてみるとここのところひどく忙しくてね。待ち時間も増え、診察も少し雑になっていたかもしれん。
なるほど、そうでしたか。であればオペレーションの改善や予約システムの導入など、建設的な対応もできそうですね。
絹川
お医者さん
そうだな。確かに、いちいち感情的になってそれを消そうとするより、前向きだな。
仰るとおりです!そうやって改善を続けていけば、自然悪いコメントは減り、むしろ良いコメントが増えていくはずです。
絹川
お医者さん
なるほどねえ。発想の転換だな。なんだか目がさめた気分だよ。ありがとう!
良かったです!また何かあればいつでもご相談ください。
絹川
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。