vol.74【『Mの像』|フォーカスすべき点がはっきりして気持ちが安定するようなセッションを提供できる理由】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『Mの像』|フォーカスすべき点がはっきりして気持ちが安定するようなセッションを提供できる理由

スマホを見続けることで、脳がヘトヘトに疲れる。

疲れるだけでなく、自分を客観視できなくなる。安易な快楽に流されやすくなる。脳の前頭前野の機能低下で、生活のパフォーマンスが落ちたりする!医学で今、言われています。

前頭前野での処理は、

浅く考える
深く考える
ぼんやりと考える

3つの機能です。

スマホを見ている時は、「浅く考える機能」ばかりを使います。そして、ここだけ使うと、脳が疲れてしまうのです。

最近の研究では、「ぼんやりと考える」のが重要なのが分かってきました。この時に情報の整理や分析をしたり、本質的な思考を培ったりするのです。「深く考える」のも、分析や思索に大事。この2つを使わないでいると、客観視できなくなり、手近な快楽に流されやすくなります。

「画家の記事だよね?」と突っ込みたくなる書き出しです、笑。ですが、縁あって日本生理学会の会員になっているちょっと変な画家です。

そして、脳科学の知見に触れるようになって、なぜオーダーで、「クライアントのフォーカスすべき点がはっきりして、気持ちが安定するようなセッションを提供できるのか?」の理由を伝えられるようになりました。

うまく描けるから、ではありません。

「上手に描けていますね!」
「上手に描けたらいいな」
よく言われますが、うまく描くのはそんなに難しくありません。数ヶ月から一年くらい真剣に学べば、誰でも写実的な絵を描けるようになります。私は高校3年の時に写実的な絵を描けるようになっていました。それは特別なことではなく、美術大学の絵画科に入学する学生は同じように描く力を身につけます。

みた通りそっくりに描くコツのようなものがあります。それを身につければ、誰でも「上手!」といわれるレベルになれるのです。

しかし、上手に描くのと自分の作品を創るのとは違います。

作品を創るには、しっくりくるやり方を見つける必要があります。

線の太さ細さ
色の濃い薄い
どんなふうに絵に入れるのか

などなど‥‥、

感じて
考えて、
分析して、
決めて、
行動して、
フィードバックする。

前頭前野での、「深く考える」「ぼんやりと考える」の機能を使います。特定の師がいなかった私は、この2つをフル活用してきました。そのため、脳科学的にいうと、客観的な視点や、本質的な思考力が鍛えられたことになります。

例えば、2005年の<手>を題材にして人の本質を描き出そうとした【Mの像】。モノクロの習作群は、白から黒のグレートーンの中での様々な試みです。何十枚もの試行錯誤の後に、鮮やかな色彩の【Mの像】が生まれてきました。

情報はすぐに手に入りますが、自分が本当にフォーカスすべきものは、すぐ手に入りません。

試行錯誤や、深く考えること、客観的なフィードバックなどからだんだんと見えてくるものです。今、「1分でできる」「誰でもわかる」「すぐ変われる」情報に溢れています。確かに1分でできることもあります。もしも、フォーカスしたいことが誰でもすぐにできることだったら、そういった情報を追いかけていればいいかもしれません。

一方、
自分だけの人生ってなんだろう。
自分にしかできない貢献は何か。
知りたい。そういう人は、スマホを時々手放して、深く考えたりぼんやり考えたりするのをお勧めします。

3分でも5分でもよいので、ボーッとする。散歩など体を動かすのもいいです。自分の感覚や勘を働かせる時間を増やすのです。あえて手書きの手紙を書くのもお勧めです。キーボードを叩くのと、手で文字や絵を描くのとでは、脳に与える影響は全く違います。私は手書きのメモだと発想が湧きやすいのを感じます。

スマホを使う時も、目的をもって調べれば深く考えることにつながります。

セッションで
「迷っていい」
「言われた通りでなくていいのだ」
「試行錯誤は必要なのですね」
とクライアントがホッとすることがあります。

自分の人生、自分の性質にそった真実にたどり着く。それは、「迷う時間さえも楽しい」と思える道のりです。

人それぞれの道はみんな違います。
でも、自分の真実を見つけるためのプロセスは、分野をこえた共通点があります。

コーチやコンサルの方から、「コーチングやコンサルティングを学んだのですか?」と聞かれることがたまにあります。でも、私が学んできたのは美術や美学の歴史です。そこに、紀元前から変わらぬプロセスを見つけることができます。

プロセスについては、また別の機会にお話しできたらと思います。

 

今回完成した作品 ≫「Mの像』

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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