この記事について
半世紀も生きてきますと、【ことわざ】の持つ意味が、より深く染みるようになりました。昔の人はうまいこと言ったもんだなぁと、しみじみ。時代の転換期、大きく世の中が変わってゆく中でも、人やこの世の本質的な部分は、案外変わらなかったりします。結構スルドイところを突いてくるのです。
本日のことわざ
「蝋燭は身を減らして人を照らす」
一昨日、わたくし正式によつばメンテナンスの代表取締役退任となりました。
おめでとー☆
午前中にお相手の会社で成約式を行って、株式譲渡の最終契約書の確認および決済を実行。夕方自分の会社に戻って、新しい役員さん達と一緒に今回の合併を従業員に開示するという流れで。
ほほう
午前中はさ、式も楽しかったんよ。それとお相手の会社は避難器具の国内最大手のメーカーさんだからさ、社内案内して頂いて色んな珍しい避難器具をみせてもらって大はしゃぎしてしまったのね。
あらまあ
消防設備士あるあるなんだけどね、やっぱりとっても興味がわいちゃう!
それは良かったね。
そこまではよかったのだけどさ。夕方ひとり埼玉に戻ってさ、、武蔵浦和駅のホームに降りたとたん、、、
ほひ?
色んな思いが一気にこみ上げてきて、、、(´;ω;`)
言葉にはならんのだね。
13年前、ここから始まったんだなあって。
うんうん
病気のこともあって、3年前に自宅の近くに本社として事務所を借りたのだけど、そもそも武蔵浦和に駐車場を一台借りたところから始まった。今も実行の拠点は武蔵浦和営業所なんだ。
思い出の地だね。
だからさ、もう会社を辞めた方がよいのか考え始めてからは余計に行かれなくなっていてさ。というか、行かないようにしていた。やっぱり愛着があるから、気持ちが揺らいでしまって決断できなくなるなって。
そうね。
ドキドキしながら久しぶりの扉を開けたら、そこにはおなじみの景色とおなじみの仲間の顔があって、帰ってきたなあって。じーんときた。
もう自分の会社じゃないけどなww
それもその瞬間思った。愛着がこみ上げてくる分、さみしさも押し寄せるみたいなね。
フムフム、、、なんともいえない気分やね。
「今日は夕礼時に大切な話がある」と、社員には伝えてあってね。まずは私からみんなに向かって、今回○○株式会社の傘下に入る事、私の退任が決まって会社を離れることを旨を伝えた。なんかね、かっこ悪いんだけどさ、言葉が詰まってしまってね。特に復帰目指して治療頑張ってきたけど、何度も病気になってしまうその無念さを、言葉にすると泣きそうになるのでホント困った。リアルタイムで幸手本社と横浜営業所もモニターでつながっているから、別の拠点の社員の方を向いてる体で、顔を見られない様にごまかしたりして、なんとか乗り切ったけど、、、
うんうん
今回のお話は私が病気になっていなくても受けるべきだったと思う、とも伝えた。このあと迎える経済の再編は、これまで経験したことのないレベルだと思うから。それは日本だけでなく、世界中が色々な意味でいったんリセットがかかる気がしていて、相当色々な産業や企業が淘汰されていくなと。最終的に世の中は良くなる方へシフトするとは思う。ただその過渡期を乗り越えていくためには、必要な選択だと。
伝えてみてどうだった?
従業員に開示するのはM&Aの難しさのひとつみたいなのだけど、今回は私たちの業界では知らないひとはいない、ある意味憧れの会社なので、みんな受け入れてくれているみたい!
ほう☆
事務所はこれまでにないくらいピッカピカに片付いて、入口にはウエルカムボードまで作ってあって!また、管理職だけにはお相手を直前に伝えておいたのだけど、もうそのお相手の会社名の入ったネックストラップをつけているという歓迎ぶりwww
あらまあ、それじゃお相手の役員さん達もほっとしたのでは!?
うん、そう思う。やっぱり開示すると退職者がでる事もあるそうなので、そこはくれぐれも注意してほしいとM&Aの担当者さんや先方の会社さんからも言われてたけど、大丈夫そう。
ヨカッタナ!
会社の知名度もさることながら、今回新しく入る代表取締役はじめ役員の方々のお人柄が本当によくて。だから、うちの社員もきっと安心してくれるなって思った。
「うちの社員」とかまだ言ってるwww
( ;∀;)
じゃ、とりあえず成約式も退任式も社員への開示も無事おわったということで。
新しい代表取締役と役員さんたちの自己紹介と挨拶、社員の自己紹介も無事終了。夕礼の後、いきなりだったけどお店予約してもらって、新役員さんたちと主要な管理職と10名で食事、、飲みに行った!
あら、もう当日にww
先方もこちらもさ、早く打ち解けてほしいというのもあるけど、さっそく今後の戦略を話し合いたかったからね!
で、どんな感じだったん??
もうね~ホント信じられない位、みんな意気投合してさ!憧れのメーカーさんの役員さんたちが来るということで、緊張していたところもあったみたいだったのだけど、
もう、和気あいあいとして、これからどうやって売上あげるかって盛り上がって。「よし!やるぞ~」って双方ワクワクするって!まるで新しい会社を立ち上げたみたいな勢いでさ。すっごく楽しそうで、よかった、、、本当によかったって。
よかったな~ほんと
具体的に聞けば聞くほど、今回一緒になったことでお互いの相乗効果がすごいなって!みんなの楽しそうな様子と希望に満ちた顔をみていたら、本当に本当によかったって。決断してよかったって。それで、、、、
それで?
こんなにワクワクするビジョンが見えて、みんなやる気に満ち満ちていて、ここからまた会社化けるんじゃないかって!超ウキウキした瞬間、、、ああそうだ、私ここにもう参加できないんだった、、、って。
もの悲しいのう、元代表
でもさ!これを望んでいたからね!!みんなが楽しく、それで会社が伸びて売上もあがって、従業員やその家族がちゃんと食べていかれる事、これが何より嬉しいことだから。
そうそう、会社が上り坂だからこそのお相手。このタイミングで会社を手放す決断をしたのは、よかったと思うよ☆
まさかこんなにHAPPYな展開になるとはね。病気が背中を押してくれて、感謝ですよ本当に。
迷ったけど今日はこのことわざかなあ、、【蝋燭は身を減らして人を照らす】自分を犠牲にして人のために尽くす事のたとえなんだけど、犠牲という言葉がどうかな~ってカンジなんだけどね。まあ、これまで何度も病気になりながら働いてきたということで☆
あ~まあね、創業3年目にもぶっ倒れて病院運ばれたりwwwまあ、めちゃくちゃ働いたな~www人を照らすことができていたら良いなあと思うけどね。
ま、さみしくなっちゃってるみたいだけどさ、家族はそのまま会社に残っているし、引継ぎで1年は顧問で入るでしょ。あと、「まぐお」でも呼ばれるってよww
そうだった!元気にならないとだな。明日病院だ~検査がんばろ。
著者について
黒須 貴子(くろす たかこ)
https://tempurayama.com/
数々のアルバイトや専業主婦などを経て、消防設備の会社を設立。下請けからの脱却、女性消防設備士の登用など、難題に直面してきた経験をシェアして生かせる〈社長峠の茶屋〉を始める。学生時代はパンクロッカー、現在はヴィジュアル系のキャンサーサバイバー。
2件のコメントがあります
お疲れ様でした。
よい結果のM&Aでよかったですね~。
記事を読んで、私も蝋燭になれるように頑張ろ、と思えました。
しんじさん
コメントありがとうございます!
不安も迷いもありましたが、決断して良かったと思っています。
ただ、ここからが本当の意味で良かったと沢山の人に思ってもらえるよう、引き継ぎや新組織づくりへのお手伝い、一年間頑張ります😆✨