vol.101【深い楽しみ a thoughtful impression|「お金には換えられない深い楽しさを得る」ためには:ゲームプロデューサー友人とのディスカッションより】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『深い楽しみ a thoughtful impression|「お金には換えられない深い楽しさを得る」ためには:ゲームプロデューサー友人とのディスカッションより

「門間さんに絵を頼む理由は、深い楽しさだね。
それは、今、必要とされるものでもあるから、時代の要請でもあると思う」

美大時代の同級生が、言いました。大学で同じ絵画科にて絵を描いた友人です。今は、ゲーム会社でプロデューサーなどしています。久しぶりに、新宿御苑のコーヒーショップで語り合いました。

「絵を手に入れる理由は、さまざまだと思うけど、

「癒されたい」
「ホッとしたい」
「心地よくいたい」

だけなら、他でも手に入る。ネットでもリアルでも、安くすぐ手に入れることができるよね。

でも、深い楽しさは、なかなか手軽には転がっていない」

「深い楽しさってKさんにとってどんな意味かな?」

「一言で言うのはちょっと難しいけど‥‥、強いて言うと、能動的な楽しさだね。
自分から働きかける楽しさだ。自分から動くと、人生の舵を握っている実感が生まれる。
生きている充実も深くなる。

でも、自分から動くには、【自分はどういう人間か】が腹におちている必要がある。

これは、サラリーマンでも経営者でも大事だよ。

USJ復活の立役者、森岡毅も、若者に向けて『自分はどんな状態になっていたらハッピーなのか?』を考えてみることが、自分の極めたいキャリアを見つけるポイントだ』と、いっているからね。自分がどんな状態になっていたら幸せか?は、自分はどういう人間かがわかるのと同じ。

『汝自身を知れKnow thyself』は、デルポイのアポロン神殿の入口に刻まれた古代ギリシアの格言であるように、時代を超えた真理だ。

でも、今は受け身の楽しさで溢れているから、自分から働きかける楽しさを見つけるのが難しくなっている。例えば、スマフォを開いただけでもたくさんの情報が届いていたりして、処理するのに夢中になってしまう人もいる。受け身でも楽しいことはたくさんあるからね。でも、もしもそんな毎日ばかりだったら‥‥、自分をどこかに置き忘れてしまう。

人を導く経営者でさえ、たくさんの最新情報さえ集めたらなんとかなると錯覚してしまう時がある。でも、【己を知る】ことができなければ、一過性の成果は得られても、長期的な成功は難しい。運よく成功を収めてお金をたくさん持っても、人生は不幸、ということになりかねない」

「そうだね。実際、一生使いきれないくらいお金を稼いだのに毎日が不幸の塊の経営者は少なくない、と何人もの経営者から聞いたことがあるよ。
彼らは、自分はどんな状態になっていたらハッピーかをよく考えずに、お金を追い求めることに夢中になったから、不幸になってしまったのだね」

Kさんの言葉に、深くうなずきました。

すると、次にKさんは、

「まっさらなところから門間さんに描いてもらう。しかも、頼むだけでなくて、門間さんと一緒に考える。能動的だよね。門間さんは、何時間も話を聴く。アイデアスケッチから本画に至るまで何枚も描いて共有する。

一般的なオーダー絵画の枠から大きくはみ出す特有の対話で【その人】を引き出すよね。これは、その人だけの深い楽しさを引き出すのと同じと思う。そして、その人が【己を知る】ことができるのが、他の絵画との大きな違いだ。

だから、人を導く社長やリーダーに需要があるのだね。自分らしく在りたい人、若い時に道標を得たい人にもいいと思う」

さすが、プロデューサーらしい鋭き分析です。

「確かに、そうだね。その点で、他の画家と大きく違う。オーダー絵画といっても、『描いてほしい』といって、あとはお任せもあるし、少し話してあとは描いてもらう、というものある。いずれにしても絵が主体なのだよね。

私は、人と絵が同じ重み。これが違うのだね。
私自身が、絵=自分として生きてきた。
自分の感じることを、絵に表現するのをずっと繰り返してきた。
喜怒哀楽とかの感情から始まって、だんだん深い内省を描くようになっていった。

そして、いつの間にか、絵を通じて【自分を知る】ことができた。
確かに、Kさんが言うように、これは受け身では到底得られない深い楽しみだよ。
自分の内側からふつふつと湧いてくる満足感だから‥‥。

若い時から、自分の心の動きを記録してきたから、はっきり言える」

「20年以上かけて門間さんが自分で積み上げたプロセスを、【対話できる絵画】と言う独自のオーダー絵画に応用していると言えるね。学生時代から今までここに辿り着くまでの苦労を知っているから、門間さんの今までの積み重ねが仕事に活きているのが友人としても嬉しい」

Kさんのように、美術に携わる友人と長年活動を共有できることが幸せだな、と顔を合わせるたびに私も思います。互いに忙しくなって、会う回数は減りましたが、いつも貴重な時間です。それを噛み締めながら、答えました。

「そうだね。
確かに深い楽しさを得る=【己を知る】絵を一緒に考えていくことで、応えられている」

深い楽しさは【対話できる絵画】のキーワードです。

「ああ、楽しいな。これが、自分を生きているってことなのだな」という深さ。それを、絵を手にした人が、イメージできるように、いつも絵を描いているし、セッションしています。

今回選んだ作品は、ちょっとグレーがかったイエローブルーの内省的な抽象画。
中央にうっすらピンクのラインが入っているのがポイントです。

この文章とともに、深い楽しさに想いをはせる一助になったら幸いです。

今回完成した作品 ≫『深い楽しみ a thoughtful impression』

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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