第189回 企業不祥事の背景

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/企業不祥事の背景

先日、某大手人事部門の方々とランチmtgをしましたが、この日(8月10日)は、どこかの団体が定めた「ハラスメントゼロの日」とのことで、「企業の不祥事」「ハラスメント予防」などについての雑談が進みました。

「大手旅行会社Kの『コロナ過大請求事件』や大手中古車販売会社Bの『修理代水増し請求・保険金不正請求事件』などの背景には、『硬直した組織風土』が存在し、それこそが『ハラスメントの蔓延』を引き起こしている」

そんなことが、口々にあがっていましたが、

こちらの会社でも、いくつかの「ハラスメント問題」が起こっているようで、人事としては、日頃から研修などで「職場の状況チェック」「アンケート調査」を行っているとのこと。

アンケートに書かれた「リアルな声」を拝見しましたが、

・業務が詰まっていることも知っているのに、ランチや飲みに誘われる

・休日、夜間を問わず、友人気取りで連絡される

・ランチタイムに望んでもいないのに、ビールをオーダーされた

・部門飲み会での席次がいつも変わらない。部長の両隣にはお気に入りさんが配置される

・クライアントの前で、プライベートを明かされた。恋人気取りか?

・クライアントとの会食時に、料理の取り分けは女性が上手だから、と役割を指名される

・上司が読んで感銘を受けた書籍を読むことを求められる。後日、感想を聞かれる

・定時での職務に専念・集中したいがゆえ、一定の距離をおいているが、「もっと付き合い良くした方がよい」との謎のアドバイスをされる

・通り道だからと、上司がタクシーの同乗を求めてくる

・新入社員研修という名目で、TikTokなどのパフォーマンスを強要された

・記名式でのアンケート調査を強制された

などなど、そこには「困惑・不快」な感情の数々が記されており、苦しい気持ちになりましたが、

感想を求められた際には、

「ランチタイムに、そっとビールをオーダーしてくれるだなんて、なんとも素敵な職場ですね!」

と率直な感想を返してしまったタカマツなのでした、、

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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