【vol.289】重要マーケティング用語109⑦

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に続き、2023年の「重要マーケティング用語109」というリストの中から「いつか役にたつかも」というものをピックアップしたいと思います。Intergrowthというサイトです。

今回の記事はコレ

109 Marketing Buzzwords to Know in 2023
2023年に知っておくべき、109のマーケティングバズワード
(https://intergrowth.com/marketing-buzzwords/)

※109個はあまりにも膨大なのですが、ざっと眺めてみたところ
・既に多くの人が知っていそうな用語
・あまりにもマニアックすぎる用語
も多く含まれていたので、109から厳選して見ていこうと思います。

今週は下記の2つ。

■ Social, Local, Mobile (SoLoMo)
■ Storyscaping

早速みていきます。

■Social, Local, Mobile (SoLoMo) (ソーシャル、ローカル、モバイル)

SoLoMo, short for /Social, Local, Mobile/, is a marketing strategy that targets customers where they spend the most time: on /social/ media, on their /mobile/ devices, and in their /local/ regions. It’s a holistic approach for marketing to today’s consumers.

SoLoMoとは、Social(ソーシャル)、Local(ローカル)、Mobile(モバイル)の頭文字をとったもので、顧客が最も時間を費やす場所、つまり、ソーシャル/メディア、モバイルデバイス、ローカル・地方をターゲットにしたマーケティング戦略である。これは、今日の消費者に対するマーケティングのための総合的なアプローチである。

SoLoMoという表現は稀に目にします。「ソロモ」ですかね、日本語では。
消費者が何に時間を使っているか?という視点で「ソーシャルメディア」「ローカルな活動」「モバイルの利用」という現代消費者行動をわかりやすくバズワード化した造語です。

まあ今のところ、国内の仕事で「SoLoMo」という表現を見かけたことは無いです。。。

■Storyscaping(ストーリースケープ)

Since the release of Gaston Legorburu and Darren McColl’s book, Storyscaping: Stop Creating Ads, Start Creating Worlds, this concept has become quite popular in the marketing industry.

「Storyscaping(Stop Creating Ads, Start Creating Worlds)」が出版されて以来、このコンセプトはマーケティング業界で大きな人気を博している。

Amazonで調べてみたのですが、『Storyscaping』という本は10年前に発売されていて、ここ数年で「アンチ広告」勢によって再度見直されて評価されているみたいです。
要するに「ブランドが支持されるためには、広告なんか制作してないで、製品やサービスにまつわるストーリーをしっかり表現しなさい」という主張です。

原文では下記の部分が主旨となります。

The idea is that every brand should have a story around its products and services. Instead of simply selling things to customers, they should give customers a chance to be a part of that story.

すべてのブランドは、その製品やサービスにまつわるストーリーを持つべきだという考え方だ。単に顧客にモノを売るのではなく、顧客にそのストーリーの一部になるチャンスを与えるべきだということだ。

「ストーリーをしっかり表現」した上で、顧客自体が「ストーリーの一部」になるような仕掛けが重要ということですね。

もう少し具体的な例として、下記の記述がありました。

We’ve seen this idea play out in a number of ways. Many companies link themselves to a particular charity and put a certain percentage of their profits toward that charity. By purchasing products from that company, therefore, customers are able to join in on the cause.

私たちは、この考え方がさまざまな形で展開されているのを見てきた。多くの企業が特定の慈善団体と連携し、利益の一定割合をその慈善団体に寄付している。そのため、その企業の製品を購入することで、顧客はその活動に参加することができる。

「ユーザーをストーリーの一部にする」一番手っ取り早い方法は、やはり「慈善団体やNPOとの連携」になりますね。。
ユーザーから集めた「売上の一部」を慈善団体への寄付に回すというシンプルなやり方ですが、「ストーリー性」はありますね。

最近の事例でいうと「ふるさと納税で、自分が支払った資金の使われ方を指定できる」というような仕組みがありますが、この思想に結構近いですね。
もっと特定の「使途」まで指定できると「納税者がストーリーの一部」になれるかもしれません。

「市内の公園のブランコと滑り台で、子供の怪我をなくすため、遊具のメンテナンスに使用する」
くらいのレベルで「ストーリー」を展開すれば、もっと寄付(税金)が集まるかもしれません。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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