庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第19回 屋上庭園の可能性
へぇ、作れるんですね。でも、庭園というからには木を植えたりもするわけですよね。どうやるんですか? 屋上やベランダに土を大量に入れたら後が大変そうですけど。
もちろん場所によって樹種を選びますし、大きくなり過ぎないよう調整もします。緑化マットを連結させなければ根が広がっていかないので。
確かにそれは納得です。私の住んでいる都内のマンションでも、屋上に庭のようなものを作っている所がすごく多いですから。でもけっこう手入れが大変なのか、雑草だらけになっているところも目立ちます。
へぇ、なるほど。ちなみに、屋上やベランダに作る庭と通常の庭と、何か違うところはあるんですか?
一番大きな違いは、重量を考えないといけないということですね。普通の庭と同じように設計すると、特にベランダはまず重量オーバーになります。
そうですね(笑)。幹の太さが30㎝くらいまでの木なら育てられます。桜やもみじを屋上やベランダに植えて、花見や紅葉狩りを楽しむこともできるんじゃないでしょうか。
それはもう真っ赤に色づきますし、切り込みが浅くて「上品なもみじ」という印象になります。
へぇ。桜にもそういう種類はあるんですか?
なるほど。木を選ぶ時は成長スピードも気にしないといけないんですね。
なるほど。3年くらいのんびり花見を楽しんでいたら、その後えらいことになるわけですね(笑)。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。