【新連載】第1回 従業員満足度研究所を設立した理由

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

【新連載】第1回 従業員満足度研究所を設立した理由

安田

ということで、今回から従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら せいどう)さんとの対談がスタートです。よろしくお願いします!


藤原

こちらこそよろしくお願いします!

安田

実は藤原さんとは以前からの知り合いで、いろいろお話はしてきているんですよね。とはいえ読者さんの中には藤原さんを知らない方も多いと思うので、簡単に自己紹介していただけますか?


藤原

ありがとうございます。改めまして、藤原です。従業員満足度研究所株式会社というちょっと不思議な名前の会社を経営しております(笑)。

安田

どのような事業をされているんでしたっけ。


藤原

社名通り従業員満足度について研究して、その知見やノウハウを経営者さん中心にお伝えしています。具体的には、従業員満足度向上支援コンサルティング、日刊の有料メルマガ配信オンラインサロンの運営などですね。

安田

なるほど。つまり「従業員満足度」のプロというわけですね。YouTubeもやってらっしゃいますよね。


藤原

そうなんです。「藤原清道の経営・マネジメント論」というYouTubeチャンネルを運営しています。あとはイベントに登壇したり、セミナーを開催したり、地方ツアーを企画して参加者さんとお話をしたり。

安田

いろいろな活動をされてらっしゃるわけですね。初めての方、「藤原さんをちょっと知りたいな」という方はYouTubeがオススメですか?


藤原

YouTubeも見ていただけると嬉しいですが、まずはメルマガに登録いただくのがいいかもしれません。1ヶ月間は無料なので、お試しいただければ(詳細はコチラ)。

安田

なるほど。では興味のある方はぜひ登録いただければと。さて、今日はそんな藤原さんがなぜ「従業員満足度」のプロになっていったのか、という話を聞きたいんですけれど。


藤原

なるほど。それはもう端的に言って、「従業員満足度をないがしろにしたせいで、自分がものすごい失敗をしたから」ですね(笑)。

安田

なんと(笑)。それは具体的にどういう失敗だったんですか?


藤原

実は私、もうひとつ別の会社を経営しているんですが、そちらの会社で過去「従業員全員に去られる」という経験をしましてね。

安田

全員ですか!? それはなんというか、クーデター的に一斉に辞められてしまったんですか?


藤原

同時ではないものの、数年かけて次々に、という感じでした。もっとも退職理由は「他にやりたいことができたから」とか「実家に戻らなくちゃいけなくなった」とか、バラバラだったんですが。

安田

じゃあ、たまたま退職が続いてしまったわけですね。


藤原

それが、違ったんです。そうやって従業員が少なくなる中、最後の方まで残ってくれていた古参のスタッフがいましてね。その人にある日突然言われたんです。「藤原さん、どうして皆が辞めていったかわかるか?」と。

安田

え? それはだから、やりたいことができたとか、実家に帰るとか、そういうことだったわけでしょう?


藤原

私もそう思っていたら、彼は「あんなのは全部建前、嘘の理由だ」と。

安田

え!?


藤原

実際は皆、私のやり方に嫌気が差して辞めていったんだそうです。私だけがそれに気付いていなかった。

安田

……そうだったんですか。でも、一体何に嫌気が差したんですか?


藤原

今でこそこうして「従業員満足度」を何より重視していますが、当時の私は真逆の経営者だったんです。利益至上主義で、従業員はそのための道具のようなものだと思っていた。

安田

なるほど……でもそう考えている経営者は多い気がします。


藤原

ええ。私自身もそれが当然だと思っていた。仕事なんだから辛くて当たり前で、「取引先でこんな楽しいことがあった」なんて発言が従業員から出れば、「仕事のくせに楽しいとは何事か」なんて言ったりしていましたから。

安田

へぇ。今の藤原さんからはとても想像できませんね。


藤原

従業員の大切さをまったくわかっていなかったんです。結果、会社の雰囲気も悪くて、いつもピリピリしていて……まぁ、そんな会社では誰も働きたくないですよね。

安田

それで社員さんが次々に辞めていった。


藤原

そういうことです。気がついたら私一人になっていて、そこで自分のやり方は間違っていたんだと痛感したわけです。

安田

それですぐに「従業員満足度を大事にしよう」という発想になるわけですか?


藤原

いやいや、紆余曲折ありました。まずはとにかく情報収集ですよね。経営セミナーに参加してみたり、ビジネス本を読んでみたり。ああ、ワイキューブのことを知って安田さんの本を読んだのもその頃です。

安田

それはありがとうございます(笑)。そうやっていろいろな人のやり方を知って、ご自身にも心境の変化が起こったと。


藤原

仰るとおりです。ああ自分はこれまで、自分のことだけ考えて経営をしてきたんだなと痛感しまして。いくら利益が得られようが、一緒に働く人が幸せになれない事業に意味なんてないじゃないかと思うようになりましたね。

安田

それはすごい変化ですね。


藤原

もちろん1ヶ月2ヶ月でそこまで変化したわけではないですけどね。組織を立て直していく中で、少しずつ 少しずつ気付いていきました。

安田

組織の立て直しと言うと、具体的にはどんなことをされたんですか?


藤原

本当にいろいろなことをしましたねぇ。理念を作ったり、クレド(従業員の行動指針)を決めたり、もちろん採用についてもイチから考え直しました。自分たちの事業や風土に合うのはどんな人かを真剣に考えて、採用活動にも真剣に向き合って。

安田

なるほど。それを続けていく中で、徐々に人材も定着するようになっていったと。


藤原

そういうことです。そしてキーはやっぱり「従業員満足度」だなと思い、やがて従業員満足度研究所株式会社の設立に繋がっていくわけです。

安田

そう繋がるんですね。では来週からはさらに従業員満足度について深掘りさせてもらえればと思います。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

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1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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