“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第30回 トップダウン経営のための情報開示と権限移譲
前回のお話で、万代さんでは「その月に何にお金を使ったか」を会議で開示すると聞きました。それって具体的にどこまで話すんですか? 例えば接待交際費なども全部オープンにするんでしょうか。
ええ、お金の出入りはすべて会計データ上で見れるようにしています。だから接待交際費もそうですし、出張でいくら使ったかとか、どんな備品を買ったのかとか、経費に関しては全てオープンですね。
へぇ〜、ということは、もしかして倉橋さんや幹部役員の収入もわかるんですか?
そうなんですか! そこまで開示されている会社ってまだまだ少ないですよね。
いや、もう一切ないですね(笑)。仕事かプライベートかは厳しく分けてますし、その分しっかり給料はもらっているので。万が一飲みすぎてしまったとしても、ちゃんと正直に計上します(笑)。
へぇ。でもどこまでが仕事でどこまでがプライベートかって、社長の場合は難しいですよね。社長同士で友達付き合いしている中で仕事が生まれたりもしますし。その辺はどういう風にジャッジするんですか?
確かにそういうケースもありますよね。個人的には「ビジネスにプラスになるかどうか」という判断基準を持ってます。まぁ、社長同士で飲んでいて仕事の話をしないなんてあまりないですけどね。実際僕が安田さんとお会いする時も、ほとんど仕事の話しかしませんし(笑)。
どうでしょうね。あまり積極的には伝えていなかったかもしれません。「とにかく会計をオープンにしよう」と思うばかりで。
それは伝えた方がいいんじゃないですか。絶対社長はお金使い放題だと思ってますよ(笑)。
なるほど。線引きがしっかりあるんですね。ここまでのお話で「情報開示」についてはかなりの部分まで行っているのはわかったんですが、もう一つ聞きたいことがあって。それが「権限委譲」についてです。
ええ。「どこまでを社員に任せるか」で意見が分かれるところだと思うんですが。
仰るとおりです。そうやってバランスを取りながら、継続的に収益の上がる組織を作ることが経営者の仕事だと思っています。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に18店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。