庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第33回 お庭に「ゴルフ場」を作る方法
direct nagomiさんは造園も外構も両方やられていますよね。そういう会社だからこそ対応できるような、造園と外構の中間のような依頼もあったりするんですか?「これはもはや庭ではないよね」という。
ああ、そういうご依頼だと、「ゴルフのパター練習をしたい」というご要望をいただいたことがありますね。それで練習場を作らせていただいたことがあります。
ほう、なるほど。そうなると確かに造園というより外構に近いですよね。さすがにゴルフコースを1ホール作ってくれ、なんて依頼はないですか?
今のところはないですね(笑)。でももしそんな広い敷地を担当させていただいたら、すごく面白そうです。
やりがいがありそうですよね。ちなみに中島さん自身はゴルフをされるんですか?
最近ちょうど始めたところなんです。忙しくてなかなか行けてないんですが、暖かくなってきたので、近々行けたらいいなと。安田さんもゴルフやられますよね。
そんなこともないと思いますよ。ゴルフ場もわりと自然な形で木を植えていたりするので。
確かにそう言われると、地面の起伏なんかも自然ですよね。バンカーも見方によってはアクセントになりますし。
へぇ、ゴルフ場のコースって庭師さんが作ってるんですか。でも考えてみれば、植物のことにも詳しくないと作れませんものね。
そうですね。そういう意味でも、ゴルフ場のようなお庭を作ることは可能だと思いますよ。芝生を広めに敷いて、自然な雰囲気で木を植えていけば近いイメージになるので。
それはいいですね。以前作られたというパターの練習場も芝生を敷いたんですか?
ええ、ご要望やご予算に合わせて、いろいろなものを活用させてもらいます。
なるほど。ちなみに人工芝だけじゃなく本物の芝生も、ある意味では「人工的に作られた植物」じゃないですか。中島さんの作る「自然な雰囲気のお庭」にも合うものなんでしょうか?
確かにある程度の手入れは必要ですね。最近は品種改良も進んで、芝刈りが年2回だけで済むような種類もあるんですが、芝生の生長を抑えている分、周りの雑草が育ちやすいというデメリットもあります。
うーん、なるほど。じゃあ芝生を植えて綺麗な状態を保つためには、水やりはもちろん草むしりや芝刈りなどの手入れが欠かせないわけですね。
そうですね。ただ、芝生って最初の1年はこまめな水やりが欠かせませんが、2年目からはそこまで水を必要としなくなります。ですから普通の芝生であれば、伸びてきた時に刈るだけで十分になるかと思います。
へぇ、そうなんですか。それなら私もなんとか頑張れそうです。なんだかゴルフ場のあるお庭が現実味を帯びてきましたね(笑)。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。