母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第12回 宝石はどこまでが新品なのか

うーん、どうでしょう。僕が業界に入ってからは暴落したという話は聞いたことがないですね。最近はお客様から「こういうグレードのダイヤを探してほしい」とご注文いただいて探すと、ほぼ見つかるんです。つまり決して品薄じゃない。そういう中でも価値は下がっていませんし、むしろ高くなっています。

ああ、実はジュエリーって、「何をもって新品とするか」はすごく曖昧なんです。ダイヤモンド専門の業者から仕入れたものは新品として扱ってはいますが、それが本当に誰の手にもわたっていないかは確かめようがない。そういう意味では、巡り巡って中古のものが新品として売られているケースもあると思います。

なるほどなぁ。ちなみに最近よく「空き家問題」の話をするんですが、家の場合は新築か中古かが明確なんですよね。そして中古になれば当たり前に価値が下がる。でも宝飾品は年数が経ったからといって価値が下がるわけではないですよね。金(きん)もこの10年で何倍にも上がってますし。

そうそう。うちの奥さんが若い頃に買った金のネックレスを売らずに置いておいたら、買った時よりもはるかに高い金額になってて驚いていました。日本は特に今円安だし、円で貯金するよりは金で持ってる方がいいとよく聞きますが、同じように宝石を資産として持っているのもありなんですかね。

うーん、どうでしょう。確かに今のところ価格は維持されていますが、それが資産になるかというと……。例えばダイヤでも「世界に数個しかない希少なものを持っている」という以外の価値はあまりないのが実情で。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。