「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第28回 「ブラックな老人ホーム」を作ってくれませんか?
トゥモローゲートの社長でいるのは長くてあと10年、その後は役員ともども引退して「お爺ちゃん会社」を作るんだって仰ってたじゃないですか。あれ、あらためて考えるとものすごくいいなぁと思って。
安田さんも一緒にやりますか(笑)。
ありがたいですけど、世代が違いすぎますって(笑)。西崎さんがお爺ちゃんになる頃には、私は生きているかもわからない(笑)。それはともあれ、実際西崎さんはその会社でどんな事業をやるんだろうって気になって。
ああ、でも具体的にはまだ全然考えてないですね。
そうなんですね。私なんかからすると、ぜひ西崎さんには「ブラックな老人ホーム」を作って欲しいなぁ。ちょいワル老人ばかりが入ってる老人ホーム(笑)。
おもしろい!(笑)。でも実際、僕もともと福祉系の事業には興味あるんですよ。学生時代に高齢者向けの若手人材派遣サービスを考えてたくらいで。
さみしいお爺ちゃんお婆ちゃんに、疑似的な家族として若い人材とマッチングするってことですか?
そうそう。これまでの経験が先見の知恵として、若い人材にとっても学びになるんじゃないかって。そうなればウィンウィンでお互いにとって価値がありそうだなと。
なるほどなぁ。でもそういうお話を聞いていると、意外と正攻法なビジネスを考えられそうですね。もっとなんていうか、「現役時代にはできなかった不良なビジネスをやってやるぜ!」ってなるかと思ってたんですけど(笑)。
いやいや(笑)。僕ね、実はけっこう真面目なんですよ。
今の時点でそう聞かれたら、イエスですね。とはいえ、その頃にはもっと新しいツールが出ているでしょうけど。
新しいツールと言うと、AIとかですかね。そういえば最近はAI相手の英会話が流行ってるそうですよ。生身の人間相手だと、発音間違ったりすると恥ずかしいじゃないですか。でも相手がAIなら全然気にならないって。
ははぁ、確かにそうかもしれませんね。
まぁ、西崎さんみたいなコミュニケーションの達人には必要ないものでしょうけどね。私みたいなコミュ障にはいいなぁと。
いやいや、全然ですよ。僕だって立派なコミュ障ですから。
そうなんですか? こうして話していると、そんなふうにはとても思えないですけど。
仕事なら全然大丈夫なんです。こういう対談だろうがYouTubeだろうが。でもそうじゃない場は本当に苦手で。経営者の交流会とかも苦手だし、飲み会とかも4人以上になるといつ話していいかわからない(笑)。
へぇ~意外ですね。でも私もまったく同じタイプなのでよくわかります。勇気を出して話し始めたとき、誰かとぶつかっちゃったりしたら…もうその飲み会では多分一言も喋れない(笑)。
めちゃくちゃわかります(笑)。
でも一方で、一対一でじっくり飲む場はすごく好きなんです。
あ、それもすごくわかります。
じゃあ今度、コミュ障同士、一対一で飲みに行きましょう!(笑)
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。