大阪・兵庫を中心に展開する、高価買取・激安販売がモットーの『電材買取センター』。創業者である株式会社フジデン代表・藤村泰宏さんの経営に対する想いや人生観に安田佳生が迫ります。
第8回 「お荷物事業」が一気に黒字化したカギは「多幸感」

今でこそ15店舗も展開する『電材買取センター』ですが、かつては年間3600万円もの純損失を出す赤字事業だったわけですよね。そこからどうやってここまで成長させたのか、すごく興味があります。

逆じゃないかって言われそうなんですけど、まず商品を値上げしたんですよ。というのもね、僕はそれまで「安さこそお客様の求めていること」「安ければお客様は来る」と思っていたんです。でもどれだけ安くしてもお客様は全然増えない。じゃあこの考えが間違っているのかなって思ったんです。

ええ。だから単に値上げして終わり、じゃなくて、そのぶんお客様に還元しよう! と。例えばね、ガチャガチャのイベントをするわけです。お店で1万円買い物したら、1回ガチャガチャを回せる。10万円買ったら10回回せる、というルールにする。

うふふ。イベントというより、ガチャガチャというのがポイントで。というのも、ある大学の先生が「ガチャガチャは多幸感がある」って仰っていたんです。ガチャガチャをやっている時の脳は、ギャンブルをやっている時と同じ状態なんだと。そして僕は気付くわけです。「そうか、ウチに足りなかったのは多幸感なんだ!」と。

それも想定済みなんです。「こんなん、いらんわ!」となったら「ほな、買い取ります」と言うんです。すると当然「え、ほんま? いくらで?」ってなりますよね。で、そこで「6000円で買い取らせていただきます」と。

ええ。1度も体験したことがないことって、敷居が高いだろうなと思っていたので。だからガチャガチャをキッカケに「思ったより簡単に売れる」という体験をしていただくことで、どんどん商品を売りにきていただこうと。

お客様やご家族の節目のイベントの時にお花をお送りしたり、お礼状をお送りしたり。あとは全店にコーヒーカウンターを設置しているので、そこでアイスクリームやコーヒーやホットドックなんかを無料でご提供したりもしてましたね。

仰るとおりです。で、そうやって常連になっていただいた方には、いろんな工具も全部無料で貸し出しするんですよ。工具って10万円とか20万円するような高価なものが多いので、零細の職人さんには特にありがたがられるんです。

うーん、正直なところ儲けのことは考えていませんでした(笑)。とにかく「お客様に喜んでもらうこと」に全振り。で、そういう努力を積み重ねていったら「あの店、いろいろ親切にしてくれるで」って口コミがだんだん広まって。それで商品を売りに来てくれる方がどんどん増えていきました。

安田さんが「お金の上手な使い方は、使いまくることだ」って仰っていたじゃないですか(笑)。だからそのとおりに「お客様のためにどんどんお金を遣いまくるぞ〜」とやったら、収益率が10%になって。それから今日まで6年間、ずっとそれくらいの収益が出ています。
対談している二人
藤村 泰宏(ふじむら やすひろ)
株式会社フジデンホールディングス 代表取締役
1966(昭和41)年、東京都生まれ。高校卒業後、友禅職人で経験を積み、1993(平成5)年に京都府八幡市にて「藤村電機設備」を個人創業。1999(平成11)年に株式会社へ組織変更し、社名も「株式会社フジデン」に変更。代表取締役に就任し、現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。