10年にひとつのヒット商品

儲かる会社には儲かるビジネスモデルがあり、その中心には必ず商品がある。いわゆるヒット商品。それなくして儲かる会社は存在しない。どんなに凄腕の営業マンも「売れる商品」「儲かる商品」がなければ数字を作ることは出来ないのである。もちろん売るためには集客や販売の努力が必要である。だが中心はあくまでも商品。集客力や販売力は商品の一部であると認識した方がいい。

つまり儲かる会社を作りたいならヒット商品を生み出すほかないということ。商品開発に本気で取り組んでいない会社は「儲けることを放棄している」と言ってもいいだろう。ではヒット商品を生み出すにはどうすればいいのか。実は答えは簡単なのである。商品開発し続けること。これ以外に方法はない。

ひとつだけ商品を作ってその商品をヒットさせる。これはギャンブルでしかない。どれだけ工夫しようと、どれほどの市場調査をしようと、100%ヒットする商品を作ることは不可能である。経営者はまずこの事実を受け入れなくてはならない。もちろん最初に作った商品がヒットすることはある。その商品だけで大企業にまでなってしまった会社もある。だがそれはあくまでも運。つまりギャンブルの結果が良かっただけ。これを目指すことを経営とは言わない。

経営者がやるべき仕事は勝率を出来る限り高めること。勝率を限りなく100%に近づけること。その方法は終わりなき継続である。ひとつの商品を確実にヒットさせることが難しいように、10個の商品をひとつもヒットさせないことも難しい。やるべき事をきちんとやっていけばヒット商品は必ず生まれてくる。

やるべきことは3つ。1)毎年ひとつ必ず新しい商品を作ること。2)商品に合わせた集客を行うこと。3)顧客が買いたくなるように販売を工夫すること。これを10年継続すれば必ずヒット商品が生まれる。ヒット商品が生まれた時には新たな顧客と販売方法も確立されている。

全ては失敗を受け入れることから始まる。損失なくしてヒット商品を生み出すことは出来ない。それは単なるギャンブルだ。全力を尽くさねばヒット商品は生まれないが、全力を尽くしてもほとんどの新商品は売れない。だからこそ経営者が決断すべきは継続なのだ。売れなくても全力で挑み続けること。その継続の先に必ずヒット商品があると信じること。社員にも信じ込ませること。

 

 

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