庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第68回 家族の未来を見据えた庭づくり

中島さんって、お庭だけじゃなく駐車場などの外構も手掛けてますけど、最近は水槽まで作られてますよね。

いいですね(笑)。となると、一体どこまで対応してくれるのか気になります。例えば「ツリーハウスを庭に作ってほしい」なんて依頼も大丈夫なんですか?

確かに、まずは「ハウスを支えられる大きな木」が必要ですもんね。公園みたいに広さがないと難しそうです。ちなみにブランコや滑り台のような遊具はどうですか? お庭に作ってほしいという依頼は庭づくりに含まれるんですか?

そうか。使われなくなった遊具が庭に残っているのは、なんだか物悲しいですもんね(笑)。そういう意味ではツリーハウスも、子どもが幼い時はすごく良さそうですけど、大きくなって必要なくなっても簡単に取り除けないですよね。

そうなんです。だからお庭も長期的な視点で設計するのが大事で。最初は砂場として使い、後から土を入れ替えて花壇や家庭菜園に変える、みたいな提案をすることも多いです。小さなリフォームを繰り返して、少しずつ変化させていくのもいいですしね。

なるほどなぁ。特にお子さんがいる家庭だと、庭の使い方もどんどん変わっていきますもんね。最初は遊び場として、次はバーベキューを楽しむスペースにしたり。家族の成長とともに庭が進化していくのは楽しそうだなぁ。

そうですね。ちなみにそういうケースでよく「人工芝」を希望されることが多いんですが、あまりオススメしません。ビニール製なのでバーベキューには向かず、静電気がたまってしまうなどのデメリットもあるので。

へぇ、人工芝って静電気の問題があるんですね。ということは、お子さんが遊ぶことを考えると天然芝一択ってことでしょうか。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。