【vol.332】2024年のグローバル版自動車消費者研究(コネクテッドカー)

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に引き続き、自動車業界の最新トレンドという視点で、Deloitteが発表しているレポートを見ていきます。

今週の記事はこれ。
2024 Global Automotive Consumer Study
(2024年のグローバル版自動車消費者研究)
https://www2.deloitte.com/us/en/pages/consumer-business/articles/global-automotive-consumer-study.html

下記の4つのトレンドがあげられています。

Trend 1: Vehicle electrification
Trend 2: Future vehicle intentions
Trend 3: Connectivity
Trend 4: Vehicle subscriptions

 

先週は、「Trend 2: Future vehicle intentions」を見ましたので、引き続き「Trend 3: Connectivity」に移りたいと思います。

Trend 3: Connectivity
(コネクト性)

Among those who are interested in connected vehicles, there is a relatively high level of interest in features that provide updates on maintenance, traffic/road safety, and suggestions for safer routes. However, the willingness to pay extra for connected technologies remains comparatively low in developed markets.

コネクテッド・カーに関心を持つ人々の間では、メンテナンス、交通/道路安全、より安全なルートの提案に関する最新情報を提供する機能に対する関心が比較的高い。しかし、先進市場では、コネクテッド・テクノロジーに追加料金を支払う意欲はまだ比較的低い。

connected vehicle(コネクテッド・カー)の定義をググってみると最初に「AIによる概要」というのが出てきまして、生成AIがサマってくれています。


コネクテッドカーとは、インターネット通信機能を搭載した自動車で、車両の状態や周囲の道路状況などのデータをセンサーで取得し、ネットワークを介して集積・分析することで、新たな価値を生み出すことが期待されています。

コネクテッドカーの導入により、次のようなサービスが実現されることが期待されています。

・事故発生時に自動的に110番や119番へ緊急通報を行うシステム
・走行実績に応じて保険料が変動するテレマティクス保険
・車両が盗難に遭った際にGPSによって現在位置を追跡するシステム
・最新の地図情報や施設情報を表示するコネクティッドナビ
・スマートフォンアプリによる車両状態の確認や緊急時のサポート
—-

はい、とてもよく分かりました。

こうしたコネクテッドカーに対して「エクストラの費用を支払ってでも欲しい」と思えるのか?
を問うた国際比較が下記のグラフです。

 

 

・最もコネクテッドカーへのエクストラの支払いに前向きなのは「インド」で、次が「中国」、「東南アジア各国」と続く
・最も後ろ向きなのは自動車メーカー大国である「ドイツ」である
・ドイツに並ぶ自動車メーカー大国である「日本」も、ドイツ同様に後ろ向きである

ということが如実にわかる結果でした。
なお、グラフの青い部分が「どちらとも言えない」を示していますが、日本のスコア(45%)が圧倒的に高いですね。
この辺りは安定の日本人回答(笑)です。

それはさておき、結論としては本文でも論考されているように、
最近もてはやされている「コネクテッドカーは、実態としては先進各国市場というよりも、それ以外の周辺市場で盛り上がっているに過ぎたい」ということになります。

う〜ん。個人的にもなんとなくわかりますその感じ、、、、。

 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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