【vol.284】重要マーケティング用語109②

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週に続き、2023年の「重要マーケティング用語109」というリストの中から「いつか役にたつかも」というものをピックアップしたいと思います。Intergrowthというサイトです。

今回の記事はコレ

109 Marketing Buzzwords to Know in 2023
2023年に知っておくべき、109のマーケティングバズワード
(https://intergrowth.com/marketing-buzzwords/)

※109個はあまりにも膨大なのですが、ざっと眺めてみたところ
・既に多くの人が知っていそうな用語
・あまりにもマニアックすぎる用語
も多く含まれていたので、109から厳選して見ていこうと思います。

今週は下記の2つ

■ Content Shock
■ Ephemeral Content

早速みていきます。

■ Content Shock(コンテンツショック)

Are you exhausted by all of the content you consume? Like physically exhausted?
Do you ever feel like your brain isn’t equipped to process all of the text, video, and photos you take in every day?
If so, you may be suffering from content shock.

あなたは消費するコンテンツに疲れていますか?肉体的に疲れ果てていませんか?
毎日インプットする文字、動画、写真のすべてを処理するのは無理、、、と感じたことはないでしょうか?
もしそうなら、あなたはコンテンツ・ショックに苦しんでいるのかもしれない。

1日の間に「インプットするコンテンツ多すぎ問題」ですね。
これを、Content Shock(コンテンツショック)と呼ぶようです。
30年前は、1日に視聴する動画コンテンツなんて、テレビやビデオのせいぜい数時間と、新聞10分と、雑誌15分とかそんな感じでしたが、今や、ほとんどの時間を「コンテンツ摂取」に充てている日すらありますね。
それはまあ疲れますよね。「疲れている」という自覚すら持てないかもしれませんね。

必然的な反作用として、今後は「アンチ・コンテンツ」の動きが大きなムーブメントになってきそうです。

■ Ephemeral Content(エフェメラル・コンテンツ)

Ephemeral content is content that disappears after a certain time. Typically, it takes the form of video or images, as with Snapchat ads. Time-sensitive coupons and promo codes also qualify as ephemeral content.
David Trounce points out that ephemeral content’s goal is to tap into the audience’s fear of missing out (FOMO). Because it only lasts for a short time, users may be more likely to engage while they have the chance.

エフェメラル・コンテンツとは、一定時間が経過すると消えてしまうコンテンツのこと。一般的には、Snapchat広告のように動画や画像の形をとる。時間に敏感なクーポンやプロモーションコードもエフェメラルコンテンツに該当する。
デビッド・トラウンスは、エフェメラル・コンテンツの目的は、視聴者の取り逃がす恐怖(FOMO)を利用することだと指摘する。短期間しか続かないため、ユーザーはチャンスがあるうちに参加する可能性が高い。

ある一定期間、または、特定の条件を満たしているときに「だけ」出現するコンテンツをEphemeral Content(エフェメラル・コンテンツ)と呼びます。
「この1時間の間だけ出現しているクーポン」とか、インスタのストーリーとかが該当しますね。
見逃してしまう(乗り遅れてしまう)恐怖のことをFOMOと呼びますが、Ephemeral Content(エフェメラル・コンテンツ)はFOMOをうまく活用したコンテンツ戦略で、今の所2023年現在でも非常に有効な「やり口」と言えそうです。

Ephemeral Content(エフェメラル・コンテンツ)が出現している「期間」がどんどん短くなっていけば、それが意味することは「人々が完全にスマホに幽閉される」ということです。
それって「自由」とは真逆の世界観ですので、「人々の自由度を高めるはずだったスマホによって、人々は不自由になっていく」というディストピアに向かっていくのかもしれません。。。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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