自分が総理大臣だったら。どうやって日本の人口を増やすだろう。出生率を大幅に上げることはかなり難しい。若者の収入(手取り)を増やして婚姻率を高めること。これは絶対にはやらねばならない。しかし、それで仮に出生率が1.5になったとしても人口は減り続けるのだ。2.1以上にすることはほぼ不可能だ。
では移民を増やすのか。移民は増やしても犯罪は増やしたくない。余計なトラブルも起こさないようにしたい。だとしたら移民を選ぶしかない。日本の文化やマナーに理解があり、心から日本という国を愛している。お金のためだけではなく本気で日本人になりたい人だけを迎える。とても理想的な考え方だ。
だがこんな選別をしたら移民の数は相当減ってしまう。5000万人までは確実に減ると言われている人口。それを補うことなど不可能である。では選別などせずどんどん移民を受け入れるのはどうか。それで1億人が保てたとして、それは日本国だと言えるのだろうか。数世代後には違う国になっているだろう。
出生数は増えない。移民も爆発的には増やせない。だとしたらどうやって人口問題を解決するのか。私が総理大臣なら長期的な少子化対策はしつつも、短期的な人口増加には見切りをつける。そして人口5000万人を切った日本でも今と同じ、いや、今より豊な社会を実現する。これを本気で考えるだろう。
ではどうやったら今の半分以下の人口で、今より豊な社会が実現できるのか。答えはひとつしかない。ひとり当たりの生産性を今の2〜3倍まで引き上げるのだ。実際これから従業員の大移動が始まる。生産性の低い会社から生産性の高い会社へ。どんどん人が移っていく。これがファーストステップ。
次に人がいなくなった中小企業が淘汰されていく。では経営者はどうすれば良いのか。従業員は転職すればいいが経営者はそうはいかない。やるべきことはひとつである。自社の生産性を今の2〜3倍に高めること。そんなことは不可能だ。うちの業界では絶対に無理。この保守的な地域では絶対に無理。
そう思うなら変えればいい。今の事業が儲からないなら他の事業をやれば良いだけ。今いる地域が儲からないなら引っ越せば良いだけ。自分を変えようとしない会社は間違いなく淘汰される。生き残る中小企業のビジネスモデルはガラッと変化するだろう。これが日本生産性アップのセカンドステップとなる。
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